あこがれの武藤先輩
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「マネージャーだー」
「うぐ~、もー!むとうさん!まきさんにチクります!」
「なんだよ可愛がってやってんのに」
「犬の可愛がり方ですけどね」
「へえ?」
私たちが化学の時間のときに、同じ理科棟を使っているらしいバスケ部の先輩は、かならず渡り廊下で出会うとまどかにちょっかいを出す。1学期まではちょっと背中を叩いたり髪をくしゃっとするんだったのが、夏休みが明けるとわざわざ立ち止まって両手で髪の毛をグシャグシャにしていくようになった。
「仲良し度増してるねえ」
「そりゃーもう、合宿は地獄だしインターハイもあったし、よそゆきの残機も尽きるってもんでしょ」
「そんなもん?マネージャーかわいがるってあんなスキンシップある?」
「んー、先輩たちはわたしのことアホな犬だと思ってる節があるから」
「たしかに犬の撫で方」
「牧さんもあれやるもん最近」
「えっ!?あのラオウみたいな人!?頭割れないの?」
「うける!たしかにラオウだわ~」
けらけら笑ったまどかとは、高校に入ってすぐ同じ作者の小説を読んでいて仲良くなった。バスケ部の清田くんとは幼馴染みらしく、最初は洗濯の助っ人って話だったのに高頭先生やラオウ先輩に囲い込まれて当たり前のようにマネージャーとしての務めを果たしている。さっきの先輩は武藤さん。清田くんも小さくないし同級生にも背の高い男の子はいるけど、がっしりした手首や腰、ふんわり揺れるリーゼントが大人っぽくてかっこいい。まどかによると試合にもいつも出ているレギュラーの人らしい。
化学のあとの渡り廊下、私は先輩が現れるのを期待している。遠慮なくでかい声でまどかを呼んでちょっかいかけて、まどかは迷惑そうにしながらも半分以上は黙認でされるがままにしている。じゃーなー!とひらひら手をふりながら大股で歩いていった武藤さんが去ってこっちを向き直したまどかは、わたしの顔を見て一言、
「晶子、顔赤い」