神さんになびかないマネージャー
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(武藤さんとマネージャー)
「まどか~」
聞きなれた名前も、女の子の声で再生されると別のものみたいだ。理科棟に続く渡り廊下を、俺の少し先を歩いていく3人組の左端はマネージャーの原田だ。ごみが落ちてりゃ拾わずにいられない、人が倒れてりゃ介抱せずにはいられない、そこに山があるから…じゃないが、積もる仕事に没頭することを楽しんでいる変わったやつで、自称スーパールーキーの幼馴染みで、神の片想い相手。
「ねえ小テストどうだった?まどかが教えてくれたから私けっこうよかったと思うよ」
「そう?わたし最後のやつ自信ないなあ」
「あー、あれ難しかったよね。わたしほんとモル苦手」
「わかる~」
部活のときには見せない、女子高生っぽい姿に、俺はちょっとばかり面食らった。なんだよ5歳児のクセに。追い抜かし様にいつもと違って下ろした髪の毛の後ろにぐしゃっと手を突っ込んだ。
「おーす」
「わ、武藤さんだ、なにするんですか」
「いや、マネージャーがいたから」
「なにそれ!もう!牧さんに言いつけますからね!」
ギャン!と俺に文句を言った原田に軽く手をふって3年の教室の方に角を曲がる。バスケ部の人?などと友達に聞かれる声がうっすら聞こえた。
ーーーーーーー
久しぶりにじっくり自主練をしていたら、体育館にはもう神の姿しかなくなっていた。先上がるぞと声をかけて、シャワーを浴びてパンイチで部室に戻ると、原田がなにやら裁縫をしている。一瞬顔をあげてあっ武藤さんと言うと、また視線を手元に戻した。慌ててズボンを穿いて、ワイシャツのボタンを留めながらのぞきこむ。
「なにやってんの」
「 あー、ビブスほつれてるのあって、気になってたんで一気にやっちゃってます」
「え?やぶれてる?」
「破れてるってほどじゃないですけど。ほらこことか、縫い目のとことかこのテープのとことか」
「へえ、お前ほんと働き者だなあ」
「そうですか?あ、武藤さん」
顔をあげたマネージャーがここ、と胸元を指差した。上から3番目のボタンがぶら下がっている。
「急いでなければついでにつけますけど」
「いいの?サンキュー」
「これくらい屁でもないです」
「お前なあ…そういえば、原田って女子の友達いるんだな」
「え、ひどくないですか、いますよ友達。海南けっこう治安いいし、変な気遣いいらずに付き合える子多くてよかったです」
「へえ」
「かっこいいって言われてましたよ」
「な!なに!」
「バスケ部の人?って聞かれたんで、うんって言ったんですけどね。優しそうだし背が高くてかっこいいって。夢を壊しちゃいけないんで、ノブにエロ本回してることは黙っときました」
「お前なあ、まったく」
「試合にでてる人って言ったらすごい見たがってましたよ、よかったじゃないですか。よーしできた、どうぞ」
「おー!助かったわ、サンキュー」
今度は目の前にいる分容赦なく、両手で髪の毛をかきまぜた。もー!と言いながら俺をかわした原田は、またビブスを手に取る。
「俺先かえるぞ」
「神さんまだいますよね」
「一緒にかえれよ、暗いから」
「はい、それまでには終わると思うんで」
「お前さあ」
「はい?」
「神と仲良くなった?」
「え?神さんはたぶんわたしのことアホな犬かなんかだと思ってると思いますけど、犬っぽく可愛がってもらってます」
「なんだそれ」
「今日武藤さんとはじめていっぱい喋ったんで、仲良しですね」
「おう、仲良しだな」
じゃーお疲れさま、と部室を出た。うーん神、先は長いぞ。
(おわり)
武藤、気になる。絶対ツッコミ担当。
「まどか~」
聞きなれた名前も、女の子の声で再生されると別のものみたいだ。理科棟に続く渡り廊下を、俺の少し先を歩いていく3人組の左端はマネージャーの原田だ。ごみが落ちてりゃ拾わずにいられない、人が倒れてりゃ介抱せずにはいられない、そこに山があるから…じゃないが、積もる仕事に没頭することを楽しんでいる変わったやつで、自称スーパールーキーの幼馴染みで、神の片想い相手。
「ねえ小テストどうだった?まどかが教えてくれたから私けっこうよかったと思うよ」
「そう?わたし最後のやつ自信ないなあ」
「あー、あれ難しかったよね。わたしほんとモル苦手」
「わかる~」
部活のときには見せない、女子高生っぽい姿に、俺はちょっとばかり面食らった。なんだよ5歳児のクセに。追い抜かし様にいつもと違って下ろした髪の毛の後ろにぐしゃっと手を突っ込んだ。
「おーす」
「わ、武藤さんだ、なにするんですか」
「いや、マネージャーがいたから」
「なにそれ!もう!牧さんに言いつけますからね!」
ギャン!と俺に文句を言った原田に軽く手をふって3年の教室の方に角を曲がる。バスケ部の人?などと友達に聞かれる声がうっすら聞こえた。
ーーーーーーー
久しぶりにじっくり自主練をしていたら、体育館にはもう神の姿しかなくなっていた。先上がるぞと声をかけて、シャワーを浴びてパンイチで部室に戻ると、原田がなにやら裁縫をしている。一瞬顔をあげてあっ武藤さんと言うと、また視線を手元に戻した。慌ててズボンを穿いて、ワイシャツのボタンを留めながらのぞきこむ。
「なにやってんの」
「 あー、ビブスほつれてるのあって、気になってたんで一気にやっちゃってます」
「え?やぶれてる?」
「破れてるってほどじゃないですけど。ほらこことか、縫い目のとことかこのテープのとことか」
「へえ、お前ほんと働き者だなあ」
「そうですか?あ、武藤さん」
顔をあげたマネージャーがここ、と胸元を指差した。上から3番目のボタンがぶら下がっている。
「急いでなければついでにつけますけど」
「いいの?サンキュー」
「これくらい屁でもないです」
「お前なあ…そういえば、原田って女子の友達いるんだな」
「え、ひどくないですか、いますよ友達。海南けっこう治安いいし、変な気遣いいらずに付き合える子多くてよかったです」
「へえ」
「かっこいいって言われてましたよ」
「な!なに!」
「バスケ部の人?って聞かれたんで、うんって言ったんですけどね。優しそうだし背が高くてかっこいいって。夢を壊しちゃいけないんで、ノブにエロ本回してることは黙っときました」
「お前なあ、まったく」
「試合にでてる人って言ったらすごい見たがってましたよ、よかったじゃないですか。よーしできた、どうぞ」
「おー!助かったわ、サンキュー」
今度は目の前にいる分容赦なく、両手で髪の毛をかきまぜた。もー!と言いながら俺をかわした原田は、またビブスを手に取る。
「俺先かえるぞ」
「神さんまだいますよね」
「一緒にかえれよ、暗いから」
「はい、それまでには終わると思うんで」
「お前さあ」
「はい?」
「神と仲良くなった?」
「え?神さんはたぶんわたしのことアホな犬かなんかだと思ってると思いますけど、犬っぽく可愛がってもらってます」
「なんだそれ」
「今日武藤さんとはじめていっぱい喋ったんで、仲良しですね」
「おう、仲良しだな」
じゃーお疲れさま、と部室を出た。うーん神、先は長いぞ。
(おわり)
武藤、気になる。絶対ツッコミ担当。