信長くんとおねえさん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「清田信長です!付属高校から来ました!バスケ部っす!よろしくお願いします!」
かわいい、と思ってしまったけど、大学生の男子には失礼だろうか。がさっと伸ばした髪の毛をハーフアップにした清田くんは、きぼうがいっぱいという顔で勢いよく頭を下げた。1年生がずらっとならんで、野球、サッカー、水泳、陸上とそれぞれに専門の競技を口にしていく。体育会系部活動に所属している学生がほとんどのこのスポーツ科学科で、うちのバスケ部のすごさを知らない学生はいない。バスケ部でマネージャーをしているマミさんによると、高校一年からレギュラーで活躍していた、インターハイの準優勝メンバーらしい。それってほんとうにすごい子なんじゃないの。部員のなかには全日本に選ばれてる人もいるって言うし、信長くんもそういう風になるのかもしれない。
「マミさん飲んでます?」
「飲んでる~今日は疲れてるからビールがうまいよ~」
「さすがお姉さま!清田くんは?」
「ビール飲んでみたいっすけど、これはオレンジっす」
「あ、ねえ桃子今カワイイって顔したでしょ!期待のルーキー弄んだら許さん!」
「えー、じゃあ本気ならいいんですか!カノジョは?インターハイ出場のキャプテンならもてるでしょ」
「いないっす……ひぇ……」
「もー!あんたも大概免疫ないよね!あんなかわいい幼馴染みいてさあ、なんでそんな人生潤いないみたいな顔してんのよ」
「やめてくださいっす…あいつは体の一部みたいなもんなんでやめてくださいっす…」
「なにそれ」
「腕とか足とか、あって当たり前でしょ?自分の腕を好きかどうかとか考えなくないっすか」
「はーん、最終的に結婚するタイプ?」
「いや彼氏いるっす、おれの先輩っす」
「えっなにそれ、三角関係?」
「いや全然、おれも大学生になったんでカノジョできるように頑張ります」
「えーなにそれ、ちょー可愛くないです?」
「おい桃子、目を輝かせるな」
「マミ先輩と仲いいんすか?女バスないですよね」
「私はねえ、バレーなの。178センチあるよ」
「え、かっこいーっすね!俺は今185なんで、あと5センチ伸びないかなって思ってるっす」
「えー!どうしようマミさん、私より背がたかい!」
「そんなのうちにゴロゴロいるっつの」
お前はさあ、なんか真面目で窮屈なんだよ。それにでかいしね。カラダはイイんだけど。
大学デビューして背伸びして付き合ったバイト先の先輩にはひどいめにあわされた。できれば今度は背が高くて、わたしのことを好きでいてくれる人がいい。マミさんははじめてマネージャーの後輩として入部した清田くんの幼馴染みをいたく可愛がっているらしい。その子の言うことには「バカだけど嘘がなくてお人好し」らしい。すっかり打ち解けて下の名前で呼んでくれるようになった清田くんの、赤い耳をみると胸が締め付けられる。恋だ、恋。