神さんになびかないマネージャー
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練習が終わって、部室に引き上げようとすると、先生から帰りに顔だしてくれと声をかけられる。早めに服装を整えて職員室に向かうと、予選の組み合わせについての話だった。練習試合でも十分手応えは感じられているので、そんなに深刻な雰囲気ではない。清田が赤点をとらずに済んだことや、マネージャーの働きぶりなど世間話に近い時間をすごし、先生が遅くなったな、悪いと、引き出しから大きな饅頭をだして手渡してきた。
「今日もらったばかりだから。教頭が旅行に行ったらしい」
「いただきます」
「うん、おつかれさん」
いつもより随分遅くなってしまった。腹が減ったので、駅に向けて歩きながら饅頭を食べていると、後ろから軽快な自転車の音と、牧さーんと聞きなれた声がして振り向く。
「おう、お前が帰る時間か」
「監督話長いですからね」
「おつかれさまです」
「!?」
スピードを落としながら追い付いてきた神の後ろから、ひょっこり原田が顔を出す。よくみると当然のように神の腹に腕を回しているようだ。これは、その、
「えっ、お前たち、」
「えっ?」
「その、付き合ってるのか…いつの間に、」
「いやいや、そうじゃないんですけど」
「通り道らしいんで毎日甘えてます」
「信長んちのほんとに目の前なんですよ」
「なるほど…びっくりした…」
「やだなあ牧さん、私と神さんが付き合ってるわけないじゃないですか~」
にこにこしてばっさり否定する原田の言葉に、神の方はちょっと死んだ感じの目をしている。なるほどお前、こいつは手強そうだなと同情の視線を送る。
「遅いし、先行っていいぞ。原田もまた明日な」
「じゃ、遠慮なく」
「おつかれさまでーす」
神が自転車をこぎ出すと、原田があくび混じりの声で、おなかすいた~と言うのが聞こえた。呼び止めて、食べかけのまんじゅうの口をつけてないほうから2切れ千切ると、神と原田の口にそれぞれ放り込む、なるほどなんだか、なかなかかわいいふたり組だ。神には悪いが仲良しの兄妹みたいだ。口々にうまいとかありがとうございますとか言ってるらしかったが、まんじゅうが邪魔してなんのことだかさっぱりわからない。