彼氏に意外な友達を紹介される
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バイトをしていたハンバーガーショップに、足しげく、というかほぼ毎日通ってきては、やたら声をかけてくる、高校生の男の子に、大学受かったんです!連絡先教えてください!と謎のプッシュを受けついつい電話番号を教えてしまったのが12月。ふたつ下の清田くんは地元では有名な海南大付属のバスケ部らしい。内部進学の確定がもらえたら声をかけようと思ってくれていたらしい。
付き合ってください!と言われたら思わずうなずいてしまった。子供っぽくてうるさいけど、裏表なく好きって言ってくれる。ころころ変わる表情も見てて飽きない。思い描いていた素敵な彼氏とはちょっとイメージ違うけど、これはこれで幸せかもしれない。
部活の先輩に紹介したいんす!と言われて私はのこのこついてきてしまった。なんとなく、体育会系というのはノブくんみたいながちゃがちゃしたのがいっぱいいるんだろうな、と思いながら、あったかい掌に手を引かれてのれんをくぐる。
「おい清田遅いぞ!」
「おっす!宮さんごぶさたっす!」
「まあまあ、彼女の迎えに行くって言ってたじゃないですか。あ、こんにちは!こっちどうぞ、座って」
「あ、ありがとう」
メガネのちっちゃい人と、くりんくりんの目をした物腰柔らかな人にそこの席、と言われてとりあえず腰かける。顔をあげるとすっごい迫力の人がいて、あわてて立ち上がって頭を下げる。
「牧だ。清田がお世話になります」
「西田はるかです。あの、コーチの方ですか?」
まわりのみんながぶっと吹き出す。慌てて見回して牧さんの方に視線を戻すと、なんだか眉間に掌を当てている。
「海南大3年の牧紳一だ」
「………大学生?」
「そうだ」
「3年?」
「そうだ」
「…わたしも3年なんですけど」
「そうか。学部は?」
「人文」
「俺は経済だ」
「えーっ?たぶん探っていったら共通の友達とかいるやつじゃん」
「そうだろうな」
「…………えーっ!?」
わたしは頭を抱えた。嘘だろ、21歳。ノブくんはノブくんで先輩たちにもみくちゃにされているようでわたしのことはほったらかしだ。
「ちなみに俺は2年の神です、せんぱい」
「えーっ……かわいい系強いじゃん」
「俺は宮益、3年だ!ちなみに理学部」
「3年の高砂です。農学部です」
「なるほど…」
お冷やを手渡しながらなに飲みます?と聞いてくれる神くんに、梅酒のロックというとちょっときょとんとした顔をされる。すっぴんでその顔力はずるい。
「清田のやつ、大学うかったことよりあんたの連絡先教えてもらったことの方がよっぽど嬉しそうだったぞ」
「そりゃ可愛かったわ、毎日のように通ってきて。なんかでもわかった気がする、完全に末っ子じゃない」
「あいつは本当に嘘がないですからね」
「気まずいことがあるときは顔に出るしな」
「なるほど」
なんだよ、めちゃくちゃ可愛がられてるんじゃん。清田かわいいトークに時々茶々いれながら梅酒を啜っていたら、あーっ!何仲良さげに話してんすかー!とやっとこさノブくんが戻ってくる。
「なによ、あんたが私のことほったらかしてたんじゃんか」
「すんませんっす…」
「部活のせんぱいって言うからあんたみたいなのがいっぱいいるんだと思ってたらみなさん知的でびっくりしてるわよ」
「ぐっ…まっ、まさか牧さんの大人の色気にやられてたりしないでしょーね!!」
「牧くんは大人すぎでしょ!コーチかと思ったわ!」
「ちょっとお!牧さん気にしてるんですからね!!シーですって!シー!」
慌てたように牧くんの顔をちらちら確認するノブくんを見てたらあんまり必死で笑ってしまった。
「まあ、よかったじゃないですか牧さん」
「まったくだ。こいつバカだから変な女に騙されてるんじゃないかと心配してたんだ。いい人そうで安心した。こいつのこと頼むな」
「お酒も強そうだし」
「なによそれ」
「こいつがレギュラー取れたら、試合見に来たらいい。いいもの見れるぞ、なあ清田」
「うっす!絶対今月メンバーはいるっす」
にこにこしているノブくんから、メンバー入ったっす!と言われるのは4日後。バイトを休んで試合を見に行く。いいもの見れるとはこのことか、がんがんばりばり点をとって、まあ合間はがやがやしていつもの彼らしいけど、そのギャップはもう、わたしの目を釘付けにするには十分だった。
付き合ってください!と言われたら思わずうなずいてしまった。子供っぽくてうるさいけど、裏表なく好きって言ってくれる。ころころ変わる表情も見てて飽きない。思い描いていた素敵な彼氏とはちょっとイメージ違うけど、これはこれで幸せかもしれない。
部活の先輩に紹介したいんす!と言われて私はのこのこついてきてしまった。なんとなく、体育会系というのはノブくんみたいながちゃがちゃしたのがいっぱいいるんだろうな、と思いながら、あったかい掌に手を引かれてのれんをくぐる。
「おい清田遅いぞ!」
「おっす!宮さんごぶさたっす!」
「まあまあ、彼女の迎えに行くって言ってたじゃないですか。あ、こんにちは!こっちどうぞ、座って」
「あ、ありがとう」
メガネのちっちゃい人と、くりんくりんの目をした物腰柔らかな人にそこの席、と言われてとりあえず腰かける。顔をあげるとすっごい迫力の人がいて、あわてて立ち上がって頭を下げる。
「牧だ。清田がお世話になります」
「西田はるかです。あの、コーチの方ですか?」
まわりのみんながぶっと吹き出す。慌てて見回して牧さんの方に視線を戻すと、なんだか眉間に掌を当てている。
「海南大3年の牧紳一だ」
「………大学生?」
「そうだ」
「3年?」
「そうだ」
「…わたしも3年なんですけど」
「そうか。学部は?」
「人文」
「俺は経済だ」
「えーっ?たぶん探っていったら共通の友達とかいるやつじゃん」
「そうだろうな」
「…………えーっ!?」
わたしは頭を抱えた。嘘だろ、21歳。ノブくんはノブくんで先輩たちにもみくちゃにされているようでわたしのことはほったらかしだ。
「ちなみに俺は2年の神です、せんぱい」
「えーっ……かわいい系強いじゃん」
「俺は宮益、3年だ!ちなみに理学部」
「3年の高砂です。農学部です」
「なるほど…」
お冷やを手渡しながらなに飲みます?と聞いてくれる神くんに、梅酒のロックというとちょっときょとんとした顔をされる。すっぴんでその顔力はずるい。
「清田のやつ、大学うかったことよりあんたの連絡先教えてもらったことの方がよっぽど嬉しそうだったぞ」
「そりゃ可愛かったわ、毎日のように通ってきて。なんかでもわかった気がする、完全に末っ子じゃない」
「あいつは本当に嘘がないですからね」
「気まずいことがあるときは顔に出るしな」
「なるほど」
なんだよ、めちゃくちゃ可愛がられてるんじゃん。清田かわいいトークに時々茶々いれながら梅酒を啜っていたら、あーっ!何仲良さげに話してんすかー!とやっとこさノブくんが戻ってくる。
「なによ、あんたが私のことほったらかしてたんじゃんか」
「すんませんっす…」
「部活のせんぱいって言うからあんたみたいなのがいっぱいいるんだと思ってたらみなさん知的でびっくりしてるわよ」
「ぐっ…まっ、まさか牧さんの大人の色気にやられてたりしないでしょーね!!」
「牧くんは大人すぎでしょ!コーチかと思ったわ!」
「ちょっとお!牧さん気にしてるんですからね!!シーですって!シー!」
慌てたように牧くんの顔をちらちら確認するノブくんを見てたらあんまり必死で笑ってしまった。
「まあ、よかったじゃないですか牧さん」
「まったくだ。こいつバカだから変な女に騙されてるんじゃないかと心配してたんだ。いい人そうで安心した。こいつのこと頼むな」
「お酒も強そうだし」
「なによそれ」
「こいつがレギュラー取れたら、試合見に来たらいい。いいもの見れるぞ、なあ清田」
「うっす!絶対今月メンバーはいるっす」
にこにこしているノブくんから、メンバー入ったっす!と言われるのは4日後。バイトを休んで試合を見に行く。いいもの見れるとはこのことか、がんがんばりばり点をとって、まあ合間はがやがやしていつもの彼らしいけど、そのギャップはもう、わたしの目を釘付けにするには十分だった。