彼氏に意外な友達を紹介される
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
同期の宮益くんは優秀なプログラマーだ。入社して3年ばかりだけど、みんなに頼られるもんでいつも忙しそうにしている。かくいう私も、宮益くんには大変お世話になっている。会計に使っているソフトの小さな不都合を、しょっちゅうアップデートしてもらっている。平謝りのわたしに、他の人はこんなの気付いてくれないからたすかるよ、と声をかけてくれた。お礼に食事に誘ったときに初めて仕事以外でたくさん話をした。とても気があって何度か食事にいって、こちらから付き合わないかと言ったときには目を白黒させていたけど、その後も案外うまくいっている。
仲のいい友達に紹介したい、と言われて仕事終わりに、二人で会うときは大体ここ、という焼肉屋に連れていかれる。
「はるかさん、紹介するよ!同級生の牧だ!」
「牧です」
「えっ…!?」
「牧です。牧紳一」
「あっ、えっと……え?同級生…?」
宮益くんよ、聞いてないわ!なんだこの色黒ででかくて中間管理職の風格漂う男は。なんで2人してめちゃめちゃドヤってくるの!?開いた口が塞がらなくて自分の名前もいえずにいる。
「まあ座って話そう。宮はビールだろ、西田さんは?」
「じゃ、ビールで」
「最初カルビとハラミでいいかい」
「おお、飯は大盛りだな」
いやいやいやいや。画風が違うだろ。コボちゃんと北斗の拳くらい違うだろ。よく来ているというのは本当のようでふたりはテンポよく注文しているけど、わたしはもう気が気じゃない。
「あの、牧さんは、」
「牧でいい」
「じゃあ、その、牧くんと宮益くんは、どういうお友達なの?」
「えっ?言ってないのか?」
「あれ?言ってないっけ?」
「えっ?なんのこと?」
「宮とは海南大付属高校のバスケ部で一緒だったんだ」
「海南って、あの海南?バスケがめちゃ強いって有名だった?」
「そうだ」
「………宮益くんが?」
「はは、そうは見えないかもしれないが、宮はスリーポイントの名手でな。いつもではないが試合にも出て活躍してる」
「……まじ?ちょっと、聞いてないよ宮益くん!」
「あれ?てっきり話したと思ってたよ」
すっとぼけた宮益くんをべしっと叩くと、白い歯を光らせて笑った。いやいやそりゃあ海南のキャプテンですか。そりゃあこの迫力だわ。宮益くんは強そうではない分、こういう人にとっては心が安らぐ存在なのかもしれない。はじめこそ驚いたけど話してみれば気さくな人で、会社での宮益くんのようすをすごく詳しく聞きたがった。
「はー、今日は食べすぎちゃった。牧くんも是非また」
「ああ、俺も安心したよ。宮から結婚を考えてる人がいるって聞いたときには驚いたけど、素敵な人で安心した。宮のことよろしく頼みます」
「………え?」
「あ!!おい!!牧!!!」
「えっ!?宮、お前まさかまだ言ってないのか!?指輪買ってたのもう半年以上前だろ!てっきり………」
3人みんな、たぶん同じ顔をしている。牧くんよ、おちゃめじゃないかよ。すまん!と深々謝って、ついでにお会計を済ませてくれた牧くんがいなくなって、宮益くんは目線を泳がせる。
「半年前になんだって?」
「…仕切り直しは?」
「じゃあ私からプロポーズしちゃおうか?」
「待ってくれ、それはなし!」
息をすって立ち上がって、わたしの両手を握ってくれた宮益くんの、レンズの奥のめんたまを見つめて、わたしは次の言葉を待つ。
仲のいい友達に紹介したい、と言われて仕事終わりに、二人で会うときは大体ここ、という焼肉屋に連れていかれる。
「はるかさん、紹介するよ!同級生の牧だ!」
「牧です」
「えっ…!?」
「牧です。牧紳一」
「あっ、えっと……え?同級生…?」
宮益くんよ、聞いてないわ!なんだこの色黒ででかくて中間管理職の風格漂う男は。なんで2人してめちゃめちゃドヤってくるの!?開いた口が塞がらなくて自分の名前もいえずにいる。
「まあ座って話そう。宮はビールだろ、西田さんは?」
「じゃ、ビールで」
「最初カルビとハラミでいいかい」
「おお、飯は大盛りだな」
いやいやいやいや。画風が違うだろ。コボちゃんと北斗の拳くらい違うだろ。よく来ているというのは本当のようでふたりはテンポよく注文しているけど、わたしはもう気が気じゃない。
「あの、牧さんは、」
「牧でいい」
「じゃあ、その、牧くんと宮益くんは、どういうお友達なの?」
「えっ?言ってないのか?」
「あれ?言ってないっけ?」
「えっ?なんのこと?」
「宮とは海南大付属高校のバスケ部で一緒だったんだ」
「海南って、あの海南?バスケがめちゃ強いって有名だった?」
「そうだ」
「………宮益くんが?」
「はは、そうは見えないかもしれないが、宮はスリーポイントの名手でな。いつもではないが試合にも出て活躍してる」
「……まじ?ちょっと、聞いてないよ宮益くん!」
「あれ?てっきり話したと思ってたよ」
すっとぼけた宮益くんをべしっと叩くと、白い歯を光らせて笑った。いやいやそりゃあ海南のキャプテンですか。そりゃあこの迫力だわ。宮益くんは強そうではない分、こういう人にとっては心が安らぐ存在なのかもしれない。はじめこそ驚いたけど話してみれば気さくな人で、会社での宮益くんのようすをすごく詳しく聞きたがった。
「はー、今日は食べすぎちゃった。牧くんも是非また」
「ああ、俺も安心したよ。宮から結婚を考えてる人がいるって聞いたときには驚いたけど、素敵な人で安心した。宮のことよろしく頼みます」
「………え?」
「あ!!おい!!牧!!!」
「えっ!?宮、お前まさかまだ言ってないのか!?指輪買ってたのもう半年以上前だろ!てっきり………」
3人みんな、たぶん同じ顔をしている。牧くんよ、おちゃめじゃないかよ。すまん!と深々謝って、ついでにお会計を済ませてくれた牧くんがいなくなって、宮益くんは目線を泳がせる。
「半年前になんだって?」
「…仕切り直しは?」
「じゃあ私からプロポーズしちゃおうか?」
「待ってくれ、それはなし!」
息をすって立ち上がって、わたしの両手を握ってくれた宮益くんの、レンズの奥のめんたまを見つめて、わたしは次の言葉を待つ。