三井先輩に狙われる
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「やっぱいた」
「げっ」
「げっとはなんだよ失礼なやつだな!バイトだって聞いたからコンビニいったのにいねーし、ここかと思った」
「は?ストーカーじゃないですか!ここにいなかったらどうするつもりだったんですか」
「そりゃ、家にいってたかな」
「暴力男がストーカーとかやばくないです?」
「お前ちょっと喧嘩売ってるだろ」
どつかれる、と思ったのに、頭に触れてきた掌があんまり優しくて思わず顔を上げた。
「来てくれてありがとな」
ずるい、せんぱい。今日はせっかくメイクもしてたのにこれじゃ涙でどろどろだ。ほんなことにも構わず顔をごしごしこすられたそのタオルからは、むっとするような汗の匂いがして、更に何も言えなくなる。
三井先輩は何も言わずに、私のとなりに座り込んでいるらしかった。鏡はかばんの中だから確かめられないけど、メイクが溶けた上にたぶん目は腫れてて鼻水もたれてる。
「かっこよかったです。本当に嬉しかった」
「…ありがとな」
「はじめて三井先輩のシュート見たとき、わたし人生が変わったんです。目蓋の裏に焼き付くほど見て、宝物みたいにして持ってたんです。初心者だったけど本気で打ち込んで、いつも先輩のフォーム思い出しながらシュートしてました」
「お、おお…」
「簡単に、付き合うとか言わないで。私は三井先輩のこと、忘れないように必死なんです」
「…それって、中学の時の俺のことか」
「そうですよ」
「今の俺は、だめか」
「今日、みとれました、かっこよくて」
「そうか」
「私は三井先輩がまた暴力男にならないように見張ってるんです」
「なんだよそれ」
ペットボトルを差し出される。飲みかけっぽいけどかまわず口をつけた。
「こんな甘いの飲むんですね」
「試合のあと欲しくなんだよ」
「なんかわかるかも」
「なあ」
蓋を閉めて、返そうとした、手を包まれる。大きい掌。あの美しい放物線の、はじまりの掌。
「お前のこと裏切らないから、見ててくれ」
「はあ」
「そんで、付き合ってもいいと思ったら教えてくれ」
「なんでですか」
「は?」
「自分のファンならいけるとかそういうことですか?三井先輩、私のこと好きになる要素今までありました?」
「なんだよそれ、」
「私にとっては三井先輩は、ラブよりうんと尊い存在なのに。からかってるでしょ」
「からかってるように、見えるか」
「う、」
「最初後輩だって聞いたときはビビったけど…でもお前の、遠慮なくもの言ってくるところも、俺のこと見ててくれるところも、いいなって思ってる」
「彩子先輩のこといい女で好みだって」
「そっ、れは、言葉のあやだ!」
「ほんとですか」
「なあ、お前今日化粧してたんだな」
「溶けてブスですみませんね」
「や、普通にいいと思うけど、でも俺のせいで落ちちまったな」
「そうですよ、三井先輩のバカ」
「うん、悪かった。もっとよく見とけばよかった」
「よくもまあ、そんなに恥ずかしいこと言えますね」
「好きだって言っちまったのに隠し事したって仕方ねーだろ。今度見せてくれ」
「なんですか見せてくれって」
いっそ今日はすっぴんで来ておけばよかった。くそー、三井先輩ってこんなにいい顔だったか?シュートばっかり見てたから顔のつくりなんて考えたこともなかった。
当然のようにわたしの鞄をかっさらうと、ほら、と偉そうに手を差し出してきたから全体重かけて手すりにしてやった。
「げっ」
「げっとはなんだよ失礼なやつだな!バイトだって聞いたからコンビニいったのにいねーし、ここかと思った」
「は?ストーカーじゃないですか!ここにいなかったらどうするつもりだったんですか」
「そりゃ、家にいってたかな」
「暴力男がストーカーとかやばくないです?」
「お前ちょっと喧嘩売ってるだろ」
どつかれる、と思ったのに、頭に触れてきた掌があんまり優しくて思わず顔を上げた。
「来てくれてありがとな」
ずるい、せんぱい。今日はせっかくメイクもしてたのにこれじゃ涙でどろどろだ。ほんなことにも構わず顔をごしごしこすられたそのタオルからは、むっとするような汗の匂いがして、更に何も言えなくなる。
三井先輩は何も言わずに、私のとなりに座り込んでいるらしかった。鏡はかばんの中だから確かめられないけど、メイクが溶けた上にたぶん目は腫れてて鼻水もたれてる。
「かっこよかったです。本当に嬉しかった」
「…ありがとな」
「はじめて三井先輩のシュート見たとき、わたし人生が変わったんです。目蓋の裏に焼き付くほど見て、宝物みたいにして持ってたんです。初心者だったけど本気で打ち込んで、いつも先輩のフォーム思い出しながらシュートしてました」
「お、おお…」
「簡単に、付き合うとか言わないで。私は三井先輩のこと、忘れないように必死なんです」
「…それって、中学の時の俺のことか」
「そうですよ」
「今の俺は、だめか」
「今日、みとれました、かっこよくて」
「そうか」
「私は三井先輩がまた暴力男にならないように見張ってるんです」
「なんだよそれ」
ペットボトルを差し出される。飲みかけっぽいけどかまわず口をつけた。
「こんな甘いの飲むんですね」
「試合のあと欲しくなんだよ」
「なんかわかるかも」
「なあ」
蓋を閉めて、返そうとした、手を包まれる。大きい掌。あの美しい放物線の、はじまりの掌。
「お前のこと裏切らないから、見ててくれ」
「はあ」
「そんで、付き合ってもいいと思ったら教えてくれ」
「なんでですか」
「は?」
「自分のファンならいけるとかそういうことですか?三井先輩、私のこと好きになる要素今までありました?」
「なんだよそれ、」
「私にとっては三井先輩は、ラブよりうんと尊い存在なのに。からかってるでしょ」
「からかってるように、見えるか」
「う、」
「最初後輩だって聞いたときはビビったけど…でもお前の、遠慮なくもの言ってくるところも、俺のこと見ててくれるところも、いいなって思ってる」
「彩子先輩のこといい女で好みだって」
「そっ、れは、言葉のあやだ!」
「ほんとですか」
「なあ、お前今日化粧してたんだな」
「溶けてブスですみませんね」
「や、普通にいいと思うけど、でも俺のせいで落ちちまったな」
「そうですよ、三井先輩のバカ」
「うん、悪かった。もっとよく見とけばよかった」
「よくもまあ、そんなに恥ずかしいこと言えますね」
「好きだって言っちまったのに隠し事したって仕方ねーだろ。今度見せてくれ」
「なんですか見せてくれって」
いっそ今日はすっぴんで来ておけばよかった。くそー、三井先輩ってこんなにいい顔だったか?シュートばっかり見てたから顔のつくりなんて考えたこともなかった。
当然のようにわたしの鞄をかっさらうと、ほら、と偉そうに手を差し出してきたから全体重かけて手すりにしてやった。