三井先輩に狙われる
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「一点で、103円になります、あ」
「あ、お前」
「こんにちは、あ、110円お預かりします」
「なんで最近見にこないんだ」
「それ小暮先輩にも言ったでしょ。はい、7円のお返しです。ありがとうございました」
「おい、待て」
「なんです?」
「終わったらこないだのバスケットコート、来いよ。待ってるから」
「え?なんでですか」
「待ってる、じゃあな」
家の近所のコンビニでバイトしてれば、そりゃあそうなるか。別に来いと言われて行く義理もない。ない。ない、けど。
いやいやいや、まさか不良に絡まれてたりとか?しない?まさか?
信じていいと思う、と笑った小暮先輩を思い出す。
まあ一応?一応中学の先輩だし。まあ見つからないようにそっと通るくらいなら。あれから3時間もたってるし、もしかしたらもう帰ってるかも。
すっかり暗くなった道を、早足に。角を曲がるとドリブルの音がきこえてくる。一度足を止めて、息を大きく吸って、はいて、進んだ。
ダンダンと小刻みなドリブルのあとに、筋肉質な体が軽やかに宙を舞う。ああ、きれいだな。何度見たって飽きない、色褪せない。ああ。
「あ、やっと来たか」
「げ」
「げっとはなんだよ、待ったぞ」
「来なきゃよかった」
「なんだよそれは」
「不良に絡まれてたらいけないと思って生存確認しに来たのに、あんなもの見せられて」
「なんだあんなものって」
「見とれました。ずるいですよ、暴力男の癖に」
「おまえなあ、」
「膝、痛いんですか」
「予防だ。もう全然痛くねーよ」
「そっか」
「もう終わるから、送っていく」
「え?三井先輩が一番こわいんですけど」
「お前ほんと友達いないだろ」
「いますって。三井先輩、わたしに優しくされたいんですか?それなら他当たってください」
「いや、俺は、」
ぐっと腕を引かれて身をこわばらせたら、私たちの真横を自転車がなかなかのスピードで通り抜けていった。
「お前にはなんか、そのままでいてほしいわ」
「先輩、手」
「わりぃ、痛かったか」
「いや、痛くないですけど、なんか大人の男の人みたい。変な感じ」
「おー、そりゃ、意識しとけ」
ぱっと手を離した三井先輩は、両手をポケットの中にしまう。見た目はスポーツマンっぽく整えてるけど歩き方はまるで不良のままだ。
「あ、ここです」
「まじか、俺んちその辺だぞ、3丁目」
「やば、家ばれた…襲撃とかしないでくださいよ」
「しねーわ」
「じゃ、おやすみなさい」
「…なあ」
「はい?」
「…付き合ってくれないか」
「何にです?」
「俺と、付き合わないか」
「え?何を突然」
「……やっぱ突然すぎるか」
「はいって言うと思います?」
「ねーな」
「その、じゃ、」
「じゃあ、試合を一度でいいから見に来てくれないか」
「試合」
「考えといてくれ。じゃあな」
「あ、はい、」
わからん、わからん、わからん。付き合うってなんだ。彼氏と彼女になるってことか?わたしの三井先輩に対する気持ちってそういうやつなのか?触れられた腕の感触が蘇って、なんか顔が暑い。
「あ、お前」
「こんにちは、あ、110円お預かりします」
「なんで最近見にこないんだ」
「それ小暮先輩にも言ったでしょ。はい、7円のお返しです。ありがとうございました」
「おい、待て」
「なんです?」
「終わったらこないだのバスケットコート、来いよ。待ってるから」
「え?なんでですか」
「待ってる、じゃあな」
家の近所のコンビニでバイトしてれば、そりゃあそうなるか。別に来いと言われて行く義理もない。ない。ない、けど。
いやいやいや、まさか不良に絡まれてたりとか?しない?まさか?
信じていいと思う、と笑った小暮先輩を思い出す。
まあ一応?一応中学の先輩だし。まあ見つからないようにそっと通るくらいなら。あれから3時間もたってるし、もしかしたらもう帰ってるかも。
すっかり暗くなった道を、早足に。角を曲がるとドリブルの音がきこえてくる。一度足を止めて、息を大きく吸って、はいて、進んだ。
ダンダンと小刻みなドリブルのあとに、筋肉質な体が軽やかに宙を舞う。ああ、きれいだな。何度見たって飽きない、色褪せない。ああ。
「あ、やっと来たか」
「げ」
「げっとはなんだよ、待ったぞ」
「来なきゃよかった」
「なんだよそれは」
「不良に絡まれてたらいけないと思って生存確認しに来たのに、あんなもの見せられて」
「なんだあんなものって」
「見とれました。ずるいですよ、暴力男の癖に」
「おまえなあ、」
「膝、痛いんですか」
「予防だ。もう全然痛くねーよ」
「そっか」
「もう終わるから、送っていく」
「え?三井先輩が一番こわいんですけど」
「お前ほんと友達いないだろ」
「いますって。三井先輩、わたしに優しくされたいんですか?それなら他当たってください」
「いや、俺は、」
ぐっと腕を引かれて身をこわばらせたら、私たちの真横を自転車がなかなかのスピードで通り抜けていった。
「お前にはなんか、そのままでいてほしいわ」
「先輩、手」
「わりぃ、痛かったか」
「いや、痛くないですけど、なんか大人の男の人みたい。変な感じ」
「おー、そりゃ、意識しとけ」
ぱっと手を離した三井先輩は、両手をポケットの中にしまう。見た目はスポーツマンっぽく整えてるけど歩き方はまるで不良のままだ。
「あ、ここです」
「まじか、俺んちその辺だぞ、3丁目」
「やば、家ばれた…襲撃とかしないでくださいよ」
「しねーわ」
「じゃ、おやすみなさい」
「…なあ」
「はい?」
「…付き合ってくれないか」
「何にです?」
「俺と、付き合わないか」
「え?何を突然」
「……やっぱ突然すぎるか」
「はいって言うと思います?」
「ねーな」
「その、じゃ、」
「じゃあ、試合を一度でいいから見に来てくれないか」
「試合」
「考えといてくれ。じゃあな」
「あ、はい、」
わからん、わからん、わからん。付き合うってなんだ。彼氏と彼女になるってことか?わたしの三井先輩に対する気持ちってそういうやつなのか?触れられた腕の感触が蘇って、なんか顔が暑い。