三井先輩に狙われる
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「ってことなんですけどどう思います?」
「ちょっと待ってくれ!」
「なにを?」
「情報が多い!」
ほら、やっぱり。今度はほんとうに就活やゼミで忙しく、久々にやってきた先輩のアパートでことの次第を説明すると、一度で飲み込みきれなかったらしく頭を掻きながら呼吸を整えている。
「このへんで仕事探すってのはわかりました?」
「お、おう」
「で、一人暮しするって言ったらうちの親が、寿くんと一緒に住むんじゃないの?って」
「な、」
「父さんの意味するところは、近いうちに結婚するつもりなら引っ越し代とか家電揃えるのとかもったいないんじゃないの?ってことです」
「おお」
「先輩はどう思います?」
「俺!?俺よりお前はどうなんだよ」
「わたし的には、一人暮しも楽しめるタイプだとは思うんですよ?でも考えてみたら、先輩と同じ家ってのも悪くないなあと思って。」
「俺は、お前が一緒に住んでくれたら、そりゃ嬉しい」
「じゃあ、その方向でいいです?仕事はもう決まりそうなの」
「早くねえか?」
「個人の古い事務所だからね。面接段階でかわいがってもらってますから。行政書士うかってたら最初の給料あげてやるって」
「ほお」
「ねえ、本当にいいんですか?わたしは嬉しいけど」
「そっちこそ、もう本当に離してやんねーぞ」
「望むとこだわ」
ほら、と両手を開いたのに、珍しく渋い顔で下を向いた三井先輩の手を握る。
「三井先輩、とっくに立ち直ってるのになにしょげてるんですか?」
「なんだよいつも散々いじっといて」
「今ならわかりますよ、先輩のこと一番信用できずにいるのも、あの頃一番辛かったのも三井先輩ですよね」
「そーかもしんねーな」
「三井先輩の回りの人が、歯抜けのロン毛のこと知らない人ばかりになるの、わたしは不安でしたけど、ほんとは先輩もそうだったんじゃないですか」
「それは、ああ、そうかもしんねえ」
「ね、先輩がいやだって言ってもわたしがついてるから。やばそうだったら木暮先輩でも彩子先輩でもひっぱってくるしさ。そろそろ安心して一緒にいません?」
「ん、あんがとな」
やっと大人しく腕の中におさまった三井先輩の胸に顔を寄せる。歯抜けでロン毛でロマンチストで、ちょっと訳わかんない大好きな人。まあでも三井先輩に目をつけられるあたり、わたしもちょっと変わってるのかもしれないな。