笠松くんと終わらない日々
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「さみーな、腹へったしラーメン食ってこーぜ」
「いいな、行こうか」
「おえも行きたいっす」
「あ、私も!!」
「青葉も?」
「今日ね、親が結婚記念日でデートしてくるらしいんで、ご飯どうしようかと思ってたんです」
「ちょうどよかったな」
「ダッシュで着替えてくるんで!部室で待っててください」
機嫌よく更衣室の方に駆け出した背中を見送る。角を曲がる瞬間に、ポニーテールの先っちょが軽やかに揺れて見えなくなった。
「笠松、見すぎ」
「何をだよ」
「マネージャーだよ、可愛いんだろ」
「かっ!?かわいい!?んななにいってんだおめーら」
「怒るとこがまじっぽいんだが?」
「つーかお前……かわいいっつーとほら……犬とか…」
「…………いぬぅ!?」
「マネージャーはなんつーか………」
「なんつーか?」
「…………俺ぁあいつのことあてにしてんだよ!可愛いかどうかとか考えたこともねーわ、お前ら浮わつきすぎだろ」
「うーん、俺たち今壮大なノロケ食らったか?」
「うーん、どうだろうな」
ノックもせずに部室に入ってきた青葉が、まだ着替え中のままやいやいやってる俺たちを見てまだきがえてないんですか?と首をかしげる。
「キャー青葉のえっち」
「は?先輩達のパンツなんか百万回見ましたけど?お腹空いたんで早くしてください!なんの話してたんです?」
「笠松が犬が好きって話だよ」
「えっ何それ!詳しくききたいんですけど!なんの種類が好きなんですか?予想はね~~やっぱ柴ですかね~~」
「それとな、お前のこと頼りにしてるんだって」
「なにそれ~~!キャプテンそんなかわいいこと言っても何も出ませんからね!!」
「か、かわいいって笠松のことか!?」
「この文脈でどう考えてもそうでしょ。」
キャプテンけっこうチャーミングなとこありますからね、とにこにこしているマネージャーの後ろ頭を思い切りはたく。柔らかい髪の毛の感触が新鮮で、ぐしゃぐしゃにかきまぜていると、わたしは犬じゃありませんよと笑いながら、でも犬みたいに目を細めて肩をすくめている。
「犬か………」
「おいおい、マネージャーも一応女子なんだからそんなにぐしゃぐしゃにしたらかわいそうだろ」
「一応ってこぼりさん地味にひどくないです?」
「悪い、ことばのあやだ」
「そーゆーことにしといてあげますよ!」
ほらほら早くとみんなを急かして出ていく青葉が不意にこっちを振り返った。一応女子、という小堀の言葉が頭のなかでこだまする。