笠松くんと終わらない日々
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
青葉とすみ始めて、なんか家がきれいになった気がする。夜の8時や9時まで図書館に入り浸っている分、朝早くや空きコマに忙しなく掃除したり飯を作ったりしてくれてるようだった。俺は洗濯も2日にいっぺんくらいしか回してなかったし、飯は学食とか近くのやすい飯屋で適当にすませたり、肉を焼いて塩コショウしたのと米、みたいな原始的な自炊とかだったので、青葉の飯がうまくてついつい家路を急ぎがちだ。
入学して1週間もすると、学科の先輩に紹介されたと近所の喫茶店でアルバイトを始めた。1番遅くても7時半くらいには終わるので、バイトのあとに図書館に寄ってくることも少なくない。借りてくる本は変色してほこりっぽいにおいがするものばっかりで俺はよく分からない。
家にいるとき大概青葉はいいにおいをさせている。洗濯の、飯の、風呂上がりの。ふわふわの首もとの空気を吸うのが好きなのはたぶんもうばれてると思う。電気を消すと、嬉しそうに布団に潜り込んでくる、小さな子供みたいににこにこして、でもこっちに背中を向けてくるのは俺への気遣いだろう。ずっと考えないようにしてきたものの、さすがにこれだけ一緒にいると、小ささや柔らかさや、明け方のうめき声とか、色んなものがついつい、気になって、奥歯を食いしばって、ふとんの中で、少し腰を引いて、ふやふや寝ているそれを抱き締め直して。
(いや、無理がある)
ごめん、と謝った相手は神様なのか、青葉なのか、自分なのかもわからない。早朝薄明かるい部屋を歩いて、トイレでそっとズボンとパンツをおろす。急に情報量が増えたからだ。白いうなじや柔らかい匂いや感触が、脳裏に焼き付いて興奮が加速する。ぐっとうめき声が出そうになるのを噛み潰して、ぐるぐるのトイレットペーパーに欲を吐き出す。こんなのいつまで続けるんだろう。パンツを引っ掻けてトイレを出ると、ベッドの上に座り込んで目をこする青葉がいて、慌ててズボンもはきなおして、ベッドに腰掛け直す。
「起こしたか、悪い」
「んーん」
「もうちょっと寝れんぞ」
「かさまつさん」
「ん」
「何してたの」
「なにって、う、うんこだわ、わりーか」
「嘘、わたしずっと気付いてますよ」
「……な、」
「いつまでこんなの続けるんですか?かなりの据え膳だと思うんですけど」
「まあ、」
「笠松さんにその気がないならそれはそれでよかったんですけど、どうやらそうじゃなかったもんで、自分で困ってるんでしょ」
「…まあ、あたりだ」
「やっぱりね、」
膝の上に乗ってきた青葉は、小さい掌で俺の左右の頬をおさえて、むっと唇を寄せてきた。柔らかくて、かさかさする。目が回りそうなのをなんとかこらえて、青葉を抱き締めてふわふわに埋もれた。
「今なら下着してないから生おっぱいですよ」
「待ってくれ、レベル高い」
「じゃあ私あと何日、同棲中の彼氏が一人でいたしてる気配を毎朝感じたらいいんですか」
「悪い、ほんとに、俺もどうしたらいいかよくわかんねえ、お前に痛い思いとか怖い思いとかさせるのこわい」
「そんなの、鍵受け取ったときとっくに腹くくってます」
「お前はほんとに、ほんとかっこいいな」
「笠松さんの照れ顔、めっちゃささります。ね、覚悟できました?」
「ん……」
俺のスウェットを捲ろうとする手をおさえて、自分で一気に脱ぎ捨てた。奥歯を噛みながら、青葉のそれも、大きめを着ているもんであっさり脱げてしまった。重力にされるがままになっている白い乳房から目をそらすと、青葉を布団に沈め直した。