桐生くんと転校生
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「苗字ってさ」
「ん?」
「東京の大学行くんやろ?」
「うん、前から決めてたし、もうセンターも出願しちゃったしね」
「センター受けるん!?まさか東大!?」
「まさか!私立の女子大ね、英文科のいいところがいくつかあって」
「すげえなあ、ちょっと俺は東京行こうとは思わん」
「貒くんはどうするの?」
「俺は福岡の大学から誘われとる」
「バレーで?」
「そうや」
「すごいね、大学でもバレーするんだね」
苗字を送って帰る八が
先生に呼ばれて外している間
思わず二人きりになってしまう。
最初あった時は東京から来たって聞いて
お嬢様っぽいイメージで見てしまってたけど
明るくてバレーが好きないいやつ。
あと、最近見てて思うけど
八、たぶんこいつのことが好きだ。
それだけじゃなく俺にはちょっと気になることがある。
「苗字は東京に彼氏おるん?」
「え?いないよ?彼氏いそうに見える?」
「うーん、なんか男の影を感じたんやけどな…ほら、めっちゃ仲いい幼馴染とか」
「ああ、それはいるいる。ずっと一緒にバレーしてた子で、困ったときは助けてくれる友達。光ちゃんっていうんだけど」
「光ちゃん…?それ、ほんとにただの幼馴染なん?実はずっと好きだったとか」
「ないない、あいつの場合はバレーが恋人だし、わたしもちょっと、もうそういう風には見れないよ」
「じゃあ、お前、八がお前んこと、」
「すまんすまん!待たせた!来週の練習試合のことでちょっとな!」
「おつかれわかつくん、よし、帰ろうか」
「お、おお」
******
はじめて一緒に出掛けた時から
鮮烈な印象だった。
おっとりした性格の人間が多い中で
言いたいことを言い
感情を表現し
俺にできないことをしている姿
羨ましくもあり、あこがれもあり、
そして目が離せない
好きだと言ったら
お前はどうする?
別れがたさが増してしまう
苗字には笑った顔が似合うから
困らせたくない
「貒くんにさあ~、彼氏いんのかって聞かれた~」
「は!?お前、そうやったんか!?」
「違うって、それで、幼馴染の光ちゃんの話したら、そいつだ!みたいに言われるんだけどさ、そうじゃないんだよね~、幼馴染は好きだけど、男の人としては見れないよね」
「…俺にはそういう女子がおらんき、よくわからん」
「そう?わかつくん優しいしもてそうなのに」
「な!それは!ねえ!」
「そんなむきにならなくても。まあそれがわかつくんのいいとこなんだけどね」