桐生くんと転校生
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春の高校バレー
大分県代表決定戦
「バッカたれ!!二段トスヘタクソか!!八がなんでも打つと思うちょんか!」
「まあまあ先生、勝ったんですから」
「何ゆうちょんか、負けちょったら今から帰ってトレーニングや!!」
「ひえー…」
狢坂高校、順当に突破。
「なあなあ名前さん、みっちゃん先生すげえ怒っとったけど、今日の八さんめっちゃ最強でかっこよかったじゃろ!」
「わかつくんはいつも強いよ、ほんとにすごい」
「名前さん、後半の方が大事です!かっこよかったの方」
「臼利くんなんでそんなぐいぐい来るの?いやいやみんなかっこよかったよ」
「みんなじゃいけん!八さんが一番かっこいいんじゃー!!」
「あーあ、また臼利が苗字のこと困らせとるき」
「俺のこと褒め殺しやから割って入りづらい…」
「八、たぶん勘違いしとる」
これまで自分がバレーをしてきたけど
人の近くで応援するってだけじゃなく
道具なんかの用意や片付け
練習や試合の記録
トレーニングの補助
あっという間に彼らは他人じゃなくなって
そしてなんか元気になってしまったことによって
クラスのほかの子たちとも
すっかり打ち解けてきた
弱音の虫も出てくる暇はなく
どたばたしたみんなの近くにいると
自然と笑顔になってしまう
光ちゃんは元気でやってる、ことは
声を聴かなくてもわかる、
だから私もひとりで、いや
仲間といっしょにちゃんと歩く
10月、代表決定戦、終了。
まもなく11月、私がここにいるのは
残り5か月。
田舎ののんびりした校風で
ガチガチの進学校というわけではなく
多くの生徒は就職か九州内の大学に進む
東京に帰りたいけど
ここを離れるのもさみしい。
「苗字は」
「なに」
「大学はどうするん」
「東京に戻ろうと思ってるよ。わかつくんはどうすんの?」
「俺は…大学には行かんき」
「そっか、そっか。なんか…」
「?」
「こっちきて、最初はクソーって、東京帰りたい!って思ってたけど、みんなと離れがたくなっちゃったな。」
「お前の弱音は久しぶりやね」
「最近元気だったからね、みんなのおかげで」
「それは良かったっち」
「わかつくんとも会えなくなっちゃうのか、またどっかで会えるかな」
「やめてくれや、もうお別れみたいなこと」
「そうね、まだ今から毎日練習、がんばるよ」