桐生くんと転校生
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「わ、わ、わ、わかつさんが!!おんなのこつれてきた!!!!」
「ヒイッ!!」
「おいびっくりしとるやろ!東京から来た転校生でな、家が隣なんじゃ」
「スッゲー!漫画みたいな展開!」
「なんで突然連れてきたの?」
「バレーやっとったって言うき」
「こ、こんにちは…苗字です…」
「おう八、噂の転校生に手え出すなんて見直したぞ!」
「みっちゃん先生勘弁してっちゃ…そんなんやないき…」
みっちゃん先生の定位置の横にちょんと座って
苗字は練習を見ている。
時々先生と話したりしながら、
途中で帰ってええからと言っておいたのに
トレーニングまでずっと見て
片付けを手伝ってくれた。
苗字は先週までより
ずっと元気そうに見える。
「苗字さん、八さんと一緒に帰ると?」
「途中までお前らも一緒やろ」
「い、家が隣なんで」
「苗字さん、バレー好きなん?いつからやっとるん?」
「小6からかな、まあ全然強くなかったから…今日練習見てびっくりしちゃった」
「あ、おれは臼利満いいます、よろしくおねがいします!」
「えっ、よ、よろしく」
「お前グイグイ行きすぎやろ、苗字さんドン引きしちょる」
「ごめんね、こんなやつばっかで」
「あ、いや、あの、今日楽しかったです、ありがとう」
「やっぱあれやね、東京弁は発音がきれいや、テレビのアナウンサーみてえ」
自転車置き場までも苗字は
みんなに囲まれて若干引いとるものの
これは、楽しい、の顔。
一番後ろをついて行きながら
苗字の表情や足取りが
気になる、本当は元気なやつだと思うから
できれば笑っていてほしいし
そうらしくて今はほっとしとる。
いつもよりゆっくり自転車を漕ぎながら
同じ方向の臼利や貒らと帰っていく
ひとり、またひとりと別れて
最後はふたり、
「ね、星きれいなんだね。この時間で歩いたの初めて。」
「バスは一時間に一本やけどな」
「はは、ほんとね」
「なあ、苗字」
「なに?」
「マネージャーせん?ゆうてもまあ年明けの春高までやけど」
「年明け…マネージャー…」
「うん、まあ、考えちょって。じゃあまた明日」
「あ、わかつくん、」
「ん?」
「ありがとう、今日、楽しかった。マネージャー、考えてみます」
「お、おう、また明日の」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
(…っかわいい…)