Target7:四天宝寺中男子テニス部
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当たり前のように氷帝の面々と夕食の用意をして、当たり前のようにジローちゃんの隣でそれを口に運んだ。反対側の隣にブンちゃんがいたからだろうか。ジローちゃんはやたらとハイテンションで食事をしていた。食べ終わると直ぐにあたしの膝を枕にして夢の国へと旅立っていったが。
そんなジローちゃんのふわふわとした髪をいつものように指先で弄んでいると隣から視線を感じる。視線の持ち主は言わずもがなブンちゃんだ。
「何?」
「……何でジローくんの頭は撫でんだよ。」
むすっと頬を膨らませるブンちゃんに、その声が聞こえたのか、更に隣のジャッカルが溜息を吐いた。不機嫌なブンちゃんをフォローしたいのだろうが、生憎今は今後の事を決める会議中だ。迂闊に声を出せない。勿論あたし達の声も小声である。
「あたしはジローちゃんのだからね。」
あたしは彼等の物だから好きな時に好きなように触れる事を許されているし、彼等はあたしの物だから彼等からのスキンシップを拒絶しない。言葉にしてみれば酷く単純な線引きだ。けれど他人からはあまり理解を得られない線引きだというのは
ブンちゃんも多分、あたし達の関係が理解出来なかったのだろう。顔を歪めて、何か言いたげに口を開いて。結局膨らませた薄いグリーンの風船ガムをパチンと割って、跡部の方へと向き直った。
「今日は早めに休んで明日に備えろ。起床は六時だ。おい、ジロー!起きろ。」
唐突にジローちゃんに矛先が向き、本人の代わりにあたしが肩を跳ね上げた。当の本人のジローちゃんは相変わらず寝入ったままで、跡部から起こすように言われる。素直に膝元のジローちゃんの肩を揺すると、勢い良く上体を起こしたものだから彼の身体は横たえていたベンチから滑り落ちた。
「琹そいつに説明しといてくれ。本日は以上だ、解散。」
呆れたような溜息を呑み込み、全体に解散の指示を飛ばす跡部を呼び止める幸村の声が耳に入る。内容は比嘉中の面々の事。
望み通りいかなかったとはいえ、自由に選べていたのなら海を選んでいた程度には海は好きだし、それなりに顔見知りもいる。それならば、まぁ何かあっても何とかなるでしょうと自身を奮い立たせたのは、比嘉中の説得をしようと心に決めたからだった。
一先ずは、また睡魔と戦っているジローちゃんに先程の会議の内容を簡単に説明して食堂を後にした。