Target7:四天宝寺中男子テニス部
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「全員が一緒に行動するのは効率が悪い。ここはグループを二手に分ける。」
来た、と一人で顔を強張らせる。結局あたしの中で結論は出ていない。どうしよう、と迷っている間にもどんどんと海側、山側に分かれていく。大まかな振り分けはゲームと変わらない。ただ、ゲームでは不参加だった財前、一氏、滝の三人は全員海側だった。そのお陰で人数の偏りもほぼ無いと言っていい。その状況で古庄寺くんを海側に固定して、あたしが海と山の両方を担当すると口にするのは不自然ではないだろうか。
「あの……私達は……。」
「どうすればいいんですか?」
里と古庄寺くんが問いかける。それに対して少し跡部は考える素ぶりをした。
あたし達マネージャーの参加は事前に分かっていたのだから、きっと彼の中で描いているシナリオがあるのだろう。あたしが提案をすれば、そのシナリオを壊してしまう事になる。最終的な判断を下すのは跡部だが、それをしても良いのだろうか。でも、もう迷っている暇はない。
「水羽は山側、琹は海側の手伝いをしろ。古庄寺は……。」
「待って。」
跡部の言葉を遮ったあたしに、先程立ち去った比嘉以外の視線が刺さる。具体的には亜久津や遠山等あたしの方を向いていない面々も居るが、それでも過半数の視線を向けられたのに違いはない。思わずじり、と後退りをして、何でもないと口にしそうになる。
「……古庄寺くんを海側にして、あたしは海と山の両方を担当したい。」
「理由は。」
多人数の視線から逃れるように視線を足元に落とし、弱々しく提案した理由を並べる。悪い事をした言い訳をしているみたいだ。
「マネージャーを平等に振り分けたいから。……あたしと里が中間にある管理小屋を使うと仮定した時、ロッジの数の関係上、古庄寺くんは海側の誰かと同室になる。そうなれば一々山側まで行くのは大変だろうし、青学が全員山に行くのなら、里が両方担当するより氷帝が海と山に分かれているあたしの方が適任だと思った。」
本来なら彼女も女の子なのだから管理小屋を使うべきだが、本人が男だと主張しているのに加えて跡部もそれを疑っていないのだから、管理小屋を使うように説得するのは不自然だろう。今はまず、里と古庄寺くんをあたしの管理下に置きたい。
「それと、あたしがマネージャーで唯一の三年生である以上、リーダーとまではいかなくても取りまとめるのはあたしになる。それならどちらも担当している方が都合が良い。」
「汐原の言っている事は一理あると思うが。」
手塚のアシストに、おずおずと跡部を見上げると彼の何かを探るような視線を向けられていた。何か不自然だっただろうか。
「琹。」
「……ぅ、っぁ、はい。」
「後で話がある。……水羽は山側、古庄寺が海側。琹が隔日毎に海と山を担当する。文句はねぇな。」
「待ってください!」
跡部の"決定事項"を遮ったのは、古庄寺くんだ。あぁ、嫌な予感がする。