Target2:転生少女
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「あたしが何をしても褒められるのはいつも里!嫌味みたいにあたしと同じものに手を出して、あたし以上に上手にこなして!あれだけ褒められといて、それ以上何が欲しいの?自分ばっかり被害者です、みたいな顔して!あたしがどれだけ惨めだったかも知らないで!!」
吸った息の分だけ言葉を吐き出すと、ぜぇぜぇと肩で息をする羽目になった。予想以上に酸素が足りていなかったようだ。里は何を言い返してくるだろうか。どんな言葉にも言い返せる自信があった。
がっくんや赤也と喧嘩した時とは違う。あの時は頭に血が上って、脊髄反射のように荒い言葉を投げたけれど。今この時、里に対してはずっとずっと溜め込んだ不満を吐き出している分、頭は冷静だった。けれど悪いのは自分じゃない、里だという思考は相変わらずで、それが劣等感から来るものだという事にも気づいている。それでも一度吐き出した言葉を引っ込める事は出来なかった。
「いい加減に、いい加減にして!!」
再度同じ言葉を口にする里、その右手は振り上げられていた。この
「汐原さん!!」
座ったままだった桜乃ちゃんがあたしの名前を叫ぶ。必死だというのが声色からよく伝わった。けれど、それは静止の役割は果たせなかったようで、里の右手は容赦なく振り下ろされる。ぱしん、とあたしが赤也の頬を打った時より乾いた音がした。
「……ご馳走様。」
里はそのまま、まだ少し食事の残る食器を返却台まで運んで行く。それを桜乃ちゃんが視線で追っているのに気づいて声をかけた。
「桜乃ちゃん、悪いけど里のこと頼んでもいい?」
「でも、汐原さんの手当てが……。」
「あたしは大丈夫だから、ね?お願い。」
桜乃ちゃんに向ける声色は酷く優しかった。こんな言葉を里に向けることが出来たなら、今の結果も少し変わったのかもしれない。この食堂に先生方が居ないことだけが幸いだった。
自分に刺さる視線を無視して再度席に着く。隣に座っていた桜乃ちゃんはあたしの頼みを聞いて、里を追っていったから一人での食事になってしまったけれど。
あたしは残っている食事に箸を伸ばした。ふわり、と差し入れると力を入れずとも簡単に吸い込まれていく箸。じゅわっと白い皿に浮かぶ油。一口サイズにして口に含むとダイレクトに肉を感じられて、無意識に頬が緩む。ハンバーグだった。美味しい、と目を細めてんーっと声を上げて味を堪能する。一通り楽しんで瞼を上げると、テーブルを二、三個挟んだ先に座っていた宍戸と目が合った。
一連の流れを見られていたのか、彼は音も無く大丈夫かと聞いてくる。トントンと頬を突くジェスチャーに、大丈夫とこちらも口パクで返してありがとうと頭を下げた。
少しだけ、心は痛かったけれど。