Target6:腐少女
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眠るのが怖かった。もしかしたら此処で眠ってしまえば、現実のあたしが目覚めてしまうかもしれない。そうしたらもう、この夢の続きは見られないかもしれない。
正直な話、余計な女の居るこの夢なんて捨ててしまって、新しく跡部達だけの夢を見たい気持ちはある。あるのだけれど、そもそもこの夢から覚めて、もう一度あの女だけの居ない夢を見られる確率なんてそう高くはないだろう。
そう考えると眠るのが怖かった。
取り敢えず部活が終わり、何やら跡部達に訴えていた汐原の頭を宥めるように忍足が撫でていたのにヤキモキしたからロッカールームで八つ当たりしてから、目覚めた部屋に戻って来た。憧れの一人暮らしといえば聞こえは良いが、実際のところこれが夢である事には気がついているから目が覚めたらまた鬱陶しい家族の居る生活が待っている。それまでのほんの一瞬だけの一人暮らしだ。折角なのだからエンジョイしようじゃないか。
そうと決まれば、と財布を片手に外に出る。
マネージャーの仕事は初めてだったが、仕事も少なかったし疲労感も無い。少し街を探索してから、適当に夕食を買って戻ればいい。
もしも明日もこの夢が続いて居たら、今度はどうやって彼等を守ろうか。ドリンクは明日もあたしが届けよう。タオルも忘れないようにしなきゃ。でもそれ以外の、仕事が無い時はどうしたら。あぁそうか、この世界はあたしの為の世界。それなら眺めていればいい。
跡部が愛されるこの世界を。
「結局間接キスフラグ折れちゃったもんなー。」
明日こそ、もういっそ態と間違えたふりをして、跡部のボトルを他の部員に渡してしまおうか。でも、跡部が口付けた後じゃないと意味が無いんだよなぁ。もっといい方法考えなければ。
でも、跡部達は着替えが一緒だからいいよね。お互いに互いの裸は見慣れてる筈なのに、自分が無意識に抱えていた劣情に気が付いた途端意識しちゃってまともに見られなくなる。それを第三者に指摘されて照れちゃう跡部とか!逆に跡部は意識してないから堂々と着替えてるところを、相手が勝手に嫉妬して他のヤツに見せるなとか!うんうん、このシチュエーションなら鳳もアリかな。
跡部さんの身体、俺以外の人に見せたくないんです、とか言ってその長身でさりげなく隠しちゃうとか!良い!
あー、もう!なんであたしは男じゃないんだろう!更衣室でイチャイチャされても覗くか一緒に着替えるかしないと観れないじゃん!
仄かに日が落ちた道を充ても無く散策する。周囲なんて見ていない。あたしの頭の中は、彼等の事でいっぱいだ。ルンルンと弾む足は、スキップと言われても可笑しくないくらいで。
(あぁそうだ、授業をサボってジローと中庭でお昼寝でもしてくれないかなぁ。)
跡部の膝枕にスヤスヤ眠るジローにひっそり口づける跡部とか、最高に観たい。
ドキドキと興奮で高鳴る胸の所為で、何も食べていないのにお腹がいっぱいだった。