Target6:腐少女
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汐原の言葉を無視して、ドリンクの入った籠を持ってコートに来ると丁度練習が一段落したところだったみたいで、レギュラー達が各々休憩を取り始める。丁度良い。
「お疲れ様。ドリンク置いとくね。……じゃああたしは部室に戻るから。」
跡部の座っているベンチの横に籠を置いて、声をかける。跡部が怪訝そうに眉を顰めたが、それには笑顔で返しておいた。大丈夫だよ、跡部の大好きな皆は取らないからね!あの女はまだ部室でドリンク作ってる筈だから邪魔には来れない。目一杯イチャイチャするなら今しかないよ!とウインクを一つ飛ばして、早々にその場を立ち去る。後は木陰からでも観察していよう。
ドリンクといえば、間接キスフラグだよね!跡部のボトルに間違えて宍戸が口付けちゃって、跡部が赤くなりながら、確認くらいしやがれって。それに対して宍戸はちょっとだけ頬を赤くして、もう一回跡部のボトルに口を付ける。そんで、別にお前の以外だったら飲まねーよって。そんな風に言われるのって、恥ずかしいけど嬉しいよね、絶対!あぁ早く、そんな跡部が見れないかなぁ。
コートの周辺で何処か身を隠せそうな場所を探す。コートがよく見えて、そんで彼等からは見えない場所。そんな都合のいい場所が何処か無いものだろうか。
コートから出てしまうと高い壁の所為で中が見えなくなってしまうし、コート内だと跡部達から丸見えだ。隠れられるとすれば……。
(あ、あそこが良いかも。)
コートの観客席の一番前。ベンチの背を預けている所。あそこなら壁がせり上がっているし、近くまで来ないと人がしゃがみ込んでいるなんて分からない。コートへの入り口は塀が切れているから頭を覗かせればコート内を見る事が出来るし、ベンチから少し離れるから人に見つかる可能性も下がる。もし誰かがコートから出ようとしても、ずっとコートを眺めている以上、あたしは絶対に気づくから近寄られる前に逃げればいい。よし、完璧だ。
あたしはコート入り口の塀が切れた所から頭を覗かせてコートを眺める。彼等は各自、あたしの置いた籠の中からドリンクボトルを取り出していた。ワクワクと今にも飛び出して誰が跡部のボトルを取ったか確認したいと浮き立つ心を胸元で抑えて、固唾を呑んで見守る。と、上の方からパタパタと足音が聞こえて、慌てて頭を引っ込めて身体を縮こませる。
「元井、タオル忘れて、る……って、あれ?元井は?」
足音の主がコートの中に入った事を確認して、もう一度頭を覗かせると忌々しいあの女の影。どうして、なんて考えなくても汐原がタオルを抱えているのだからそれだろう。なら何故あたしが部室を出る前に言わないの!そうすれば、跡部達は今頃人目を気にせずにイチャイチャ出来てた筈なのに!
いつもいつも汐原が邪魔をする。あぁ、マネージャーになっただけじゃダメだ。アイツを此処から追い出さないと。彼等だけのテニス部を取り戻さないと。