Target6:腐少女
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「変態。」
「何とでも。……ほら、早くしないと予鈴鳴っちゃうよ。」
はぁ、と呆れたように深い溜息を一つ吐いて、彼はジャージのチャックを下ろしてから両肩に下ろし、肘に溜まった袖を片方ずつ抜いていく。その後に一瞬動きを止め、ポロシャツを脱いだ。
引き締まった身体に目を奪われる。彼が手首に寄せたポロシャツを引き抜く為に軽く身体を捻ると僅かに肋骨が浮き出て、ゴクリの生唾を飲んだ。思わず彼に触れようと伸ばした手を慌てて下ろし、顔を逸らす。自分から目の前で着替えろと言っておきながら、頬が熱い。
日吉は直ぐにシャツの袖に腕を通してボタンを上から締めていく。その手つきは慣れたもので澱み無かった。
「本当にそこに居る気ですか。」
上を着替え、後はハーフパンツといったところで日吉は視線だけで振り返った。その目尻は僅かに紅潮している。
勿論、といつもの様に揶揄い混じりに言え、言え。そう心中で唱えるが、妙に早く鼓動する心臓の所為でそれは掻き消される。でも此処で引き下がったら、きっと着替えは別々のままだ。あたしが着替えてる間に、あの子が跡部達に近寄らないとは限らない。それだけは絶対に嫌だから。此処で引く訳には、いかない。
「ッ、当然でしょ。」
顔が燃えそうな程熱い。それをクッションを抱えて顔を押し付ける事で隠した。
「……何かあったんですか。」
尚も視線だけは日吉に向けたままのあたしに観念したのか、日吉は躊躇いながらもハーフパンツを下ろし、制服のスラックスに履き替える。一瞬だけ露わになった臀部から太腿にかけてのラインは程良い肉付きでドキドキと心臓が煩い。因みに下着はグレーのボクサーだった。
カチャカチャとベルトのバックルの音をさせながら、日吉はあたしに声をかける。それは相変わらず背中を向けたままだったが、照れ隠しではないだろう。それくらい、彼の声色は真剣だった。
「何も、ないよ。どうして?」
「アンタ普段ならこんな馬鹿な事言わないでしょう。」
ネクタイを締め此方に向き直る彼は、もういつもの日吉だ。見慣れた制服の、見慣れた表情の。その力強い視線に、先程出会ったあの子の事を口走ってしまいそうになる。近寄らないで欲しいと、懇願しそうになる。
けれどそれを決めるのはあくまでも彼等の意思だ。あたしが強要して良いものではない。
「琹さん。」
日吉があたしとの距離を詰め、ソファに座っているあたしの真正面に立つ。そのまま腕を伸ばしたかと思うと、ソファの背凭れにあたしを追い込むようにして手をついた。
「全部話して下さ……。」
「……あ。」
日吉が言い切る前に予鈴が鳴り響く。あぁ、これで
きっとそれに込められた意味は違うのだろうけれど。