Target6:腐少女
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言葉を詰まらせた彼女が屈辱に顔を歪ませて走り去って行くのを見送って、作業を再開する。と言っても、ほぼ手付かずと言っていい程、洗濯籠にはタオルが残っている。ちょたには先に行って、と言ったが、あと数分で予鈴が鳴るというのに一人では間に合いそうにない。
それもこれも全部あの子の所為だ。結局名前は分からなかったが、呼ぶ事なんて無いだろう。何処のクラスの子か知らないが、あたしから声をかけることは無い。跡部達に近寄らない限り。
「あー!もういいや。昼に干そう。」
半分程粘って消費したが、これ以上は本当に
そんな格好になったところで、ロッカールームに居るのはあたし一人だし問題なんて何も無い。あたしは脱ぎ捨てたスコートを拾い、ポロシャツと共に畳んでロッカーに収める。そしてそれらの代わりに制服のシャツを取り出して羽織った。瞬間に、ガチャリとロッカールームの扉が開く。タオルと、恐らく空であろうドリンクボトルが入った籠を持って入って来たのは日吉だった。
あ、そうだ。あたし回収に行ってなかったと思い立ち謝罪を口にしようとしたが、それは言葉にはならなかった。
「なん、で居るんですか!」
「え?あたしいつも此処で着替えてるよね。」
「そうじゃなくて!」
女子マネージャー用の部室が無い為、時間をずらしてあたしがレギュラー用の部室で着替えているのは周知の事実だし、今日に至ってはギリギリまでタオルを干していた為時間をずらす必要も無かった。日吉の言葉からして、本来ならあたしは此処に居てはいけなかったというように取れるが、どれだけ考えてもその理由は分からなかった。
「取り敢えず下も履いて下さい!」
「あ、はい。……日吉、ごめんね。」
顔を赤くして背けたままの日吉の言葉に、漸く今の自分の格好を思い出して合点がいった。あたしが身に付けているのは当たり前に自分のシャツだから、丈で下着が隠れる訳がない。鍵がかかっていないのにどうしてあたしが着替えているのか、とつまりはそういう事だ。
あたしは日吉の言う通りスカートを履き、彼の手にしていた籠を受け取る。ありがとう、とお礼を言って、ソファに腰を沈め、側にその籠を置く。そこから動かないあたしに日吉が怪訝そうな顔をした。
「着替えるので出て行ってもらえませんか。」
「えー?日吉はあたしの下着見たのに?」
「……鍵をかけてなかったアンタが悪いんですよ。」
まぁ、そうなんだけど。というか、別に日吉の下着を見たいとかいう痴女でもないのだけど。
チャンスだと思ったのだ。今まで態々時間をずらして着替えていたのが面倒だから、一緒に着替えればいいと言う為の。
以前一度同じ提案をした事があるが、忍足とがっくんによって拒否された。もしこれで日吉があたしの目の前で着替えてくれれば、一回一緒に着替えたんだからもう良いじゃん、と言えるのではないか。
あたしは別に見られて困る着替えは普段ならしないから、纏めて着替えられる方が効率が良い。それに単純に、あの子の付け入る隙を作りたくない。ただの我儘だ。