Target1:氷帝学園男子テニス部
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「今度の合同合宿だが、参加する学校は青学、立海、それから氷帝の三校だ。流石に全部員の参加になると人数に差があり過ぎる為、今回の参加はレギュラー陣、準レギュラー陣、そしてマネージャーのみとし、残りの部員は……。」
あのまま忍足と一緒に登校し、予定通りミーティングに参加する。榊先生から告げられる連絡事項の中で、自身に必要だと思う情報だけを記憶した。よし、なんとかなりそうだ。
後は
「それでは各自気合いを入れるように。行ってよし!」
一呼吸置かれて紡がれた台詞は、榊先生の決め台詞と言われるもので少し感動してしまった。そしてそれは、どうやら解散の合図でもあるあらしい。二百人程の部員が一斉に教室へと向かい始めた。
ほぅと息を吐いてあたしも彼らに続いて教室に戻ろうと立ち上がると、ぽんと肩に手を置かれる。
「汐原さん。」
叩かれた肩とは反対の方へ振り向くと、少し驚いた表情をした滝萩之介が居た。小さくやるねーと呟いていたが、勘弁して欲しい。昌山と過ごしていた時には、叩かれた方向へ振り向くと頬を
「大丈夫?」
彼は軽く笑ってあたしを気にかける言葉を口にする。その言葉が何にかかっているのか分からなかった。合宿に関してか……それとも、先程のあたしの行動に関してか。
「まだマネージャーになって日も浅いのに、他校の面倒を見るなんて大変でしょう?」
どうやら前者であったらしい。良かった。
「不安はあるけど、参加するマネージャーはあたしだけじゃないみたいだし大丈夫だよ。」
滝は少し口角を上げ、笑みを"作る"。それは先程までの自然な笑みではない。
意味を成さないその笑みは何故か儚くあたしの目には映って、思わず彼の頬に手を伸ばした。
「滝のその顔、嫌い。」
あたしは彼の目をジッと心の奥まで見透かすように見つめて、彼の頬に当てた指先に軽く力を入れる。痛くない程度に抓った。滝は困ったように眉尻を下げる。
先程の表情の真意は読み取れないが、それでも彼の心が酷く荒んでいて、ソレがあたしのせいだというのは本能的に気づいてしまった。
あたしは彼の瞳をジッと見つめて彼の心情を推測してみるが、結局分からず終いだった。