Target1:氷帝学園男子テニス部
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鳳と日吉にお礼を言って別れた後、跡部達との待ち合わせ場所に向かったはいいが、その場に居たのは忍足だけだった。跡部と樺地の姿がない。二人で少しばかり待っていると、程なくして二人が戻ってきた。
「跡部、遅かったね。何か買い物でもしてたの?」
「あぁ、これだ。」
そう言ってあたしの目の前に差し出されたのは、真新しいスマホだった。あれ、跡部は既にスマホを持っていなかっただろうか。中学生にして二台持ちする気か、と跡部を見上げると不快そうに眉根を寄せた。
「……お前のだ。無いと困るだろうが。」
その言葉に初めて気がつく。そうだ、中学生が親の同意なく新しく契約など出来るはずがない。跡部にそれが出来るのは、もはや跡部だからとしか言えないだろう。それでも。
「有難いけど、流石に受け取れない……かな。」
こういうのは高価な物だから、という理由の以前に継続的に費用がかかる物だから。例え跡部がお金持ちの御曹司と言えど、甘えていい範囲ではないと思う。
「甘えとけばええんとちゃう?実際、無いと困るやろ?」
「……困る、けど。でも……。」
忍足の追撃を受けて尚、先程の理由を付けてスマホを受け取らないあたしに呆れたのか、跡部は溜息をつく。折角のプレゼントなのに怒らせてしまったかと、びくりと両肩が跳ねた。
「後で汐原名義の契約に変えておく。それで良いだろう。」
そう言ってもう一度スマホを差し出す。今度はもう、拒否権など与えられていなかった。強制的に渡されたスマホのホームボタンを押す。初期設定など色々しないといけないが、問題なく使えそうだ。流石に他人の連絡先など暗記しているわけもないから昌山に連絡は取れないが、今後の生活が大分楽になるのは確かだった。
「ありがとう。」
多少強引なプレゼントだったが、受け取っておくことにしよう。有り難いと思ったことに変わりはないから。
それに満足したのか、跡部は不敵に片方の口角を上げる。見覚えのある俺様な表情だった。
「あぁ、せや。一応俺の連絡先も教えとくわ。」
そう言って
忍足に続いて、跡部、樺地と続く。
だった三件しか登録が無いのに随分と豪華な連絡帳だなぁと、忍足に促されるまで立ち尽くしていた。