Target1:氷帝学園男子テニス部
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話が一段落ついたところで、あたしは
そうして忍足に地図をお願いしていると、跡部が車で同行してくれると言う。曰く、大量に買うなら男手があった方が良いだろうと。それに続いて、忍足も地図を書くのが面倒になったからと同行してくれる事になった。
「じゃあ、一旦ここで解散で。またここで落ち合う感じでいい?」
「あぁ。それでいい。」
そうして案内されたショッピングモールで、衣服、食器、日用品と回り、後は下着が買いたいからと一旦彼らと別れる事にする。
自分では意識したことはないが、女の買い物は長いというのが世間一般的な意見である以上、多少は彼らを疲れさせてしまったかもしれない。荷物持ちもさせてしまっているし。
あたしが下着を選んでいる内に少しでも休んでもらおうと、少し長めに時間を使ってショッピングをする。今回は意識した長丁場だ。
「あれ。」
ランジェリーショップから出て、待ち合わせ場所に戻る途中に二つの見知った姿を見つける。その二人は同じ学年であるものの、あたしの中で一緒に行動するイメージが薄かった。
日吉と鳳の二人である。
声をかけるべきか、敢えて無視をするべきか。
迷っているとあちらの方から声をかけられる。それは酷く優しい声だった。
「こんにちは、汐原さん。」
鳳のその声は、まるで以前から知っている友人に声を掛けるような気軽さがあって疑問が湧く。あの短時間でここまで気を許してもらえる程の行動をした覚えはない。
「こんにちは、鳳くん。……日吉くんと買い物?」
「はい!グリップとかガットとか、どうしても消耗しちゃうので……。それにしても、本当に俺たちの事知ってるんですね。」
一瞬何を言われてるのか判断が出来なくて頭が真っ白になる。少しして、しまったと焦りに染まった。彼らにはまだ名乗ってもらってなかったのに。忍足が何も気にしていない風にあたしに接するものだから、と言い訳をしても遅い。
口にした言葉を取り消すことはできなかった。
「……君たちは何を聞いてるの?」
跡部からか忍足からか。
何れにせよ、何かを聞いている筈。ただ、それをどう判断するか正直分からなかった。あたしを信じてくれたから?……それとも、その逆か。
「異世界から来たと言っていると、それだけ。……跡部さん、自分は信じてみようと思うって言ってましたよ。」
鳳の言葉はあたしの心を読んだようなものであたしが驚いている間に、俺は正直分かりませんとそう付け足した。
「それが事実かは分かりませんけど汐原さんのことは信じてみようと思います。」
そう言って笑う鳳に釣られたのか、今まで黙りこくっていた日吉も口を開く。訝しげな表情はそのままに端的に言葉を続ける。
「俺は別に信じるとか信じないとかどうでもいいですが、異世界人には興味があります。」
そう言えば、この子はオカルト好きだったと思わず小さな笑みが溢れた。少なくとも好意的だと受け取っていいらしい。