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私は左右田和一が苦手だ。
第一印象がまず苦手。
とにかく派手なピンク色の髪の毛、蛍光イエローのつなぎもチャラチャラしていて、見た目そのままのチャラい喋り方。生真面目な私の苦手をそのまま固めたような男子だった。
さらに恐ろしいのが、私がソニアちゃんと一緒にいると睨んでくること。
突っかかってくるから言い返すとやたらとすぐ怒るし………やっぱり何回考えても怖い。
これが私が思っている左右田和一への印象だった。
嫌なことばっかり考えてると気が滅入りそうだったから、今日もおでかけチケットを使ってソニアちゃんと楽しく遊ぼうと思い立った。
しかしそんなワクワクをぶち壊そうと言わんばかりに、ソニアちゃんに近寄ると左右田くんはじっと私を睨んでいる。
………そんなにソニアちゃん好きなら自分から誘えばいいのに。まぁ、いつもソニアちゃんに一刀両断されてるから一緒には出かけてもらえないでしょうね。ざまあみろ。私を睨むからだ!
なので、今回も左右田くんの睨みに負けずにソニアちゃんをお出かけに誘うことにした。嫌がらせ?違う違う!たまたまだよ!たまたま!ね!
いつだってソニアちゃんはきれいだ。見た目も勿論だけど(なんたって王女様だし)、私は特に髪の毛が綺麗だと思う。今もとんでもなく暑い夏の日差しを受けていると言うのに彼女が動くたびに上品な金髪がキラキラと光を反射する。この世に天使がいるとしたらきっとソニアちゃんのような見た目をしていることだろう。
「ソニアちゃーん!」
「まあ、名前さん」
「私とデートしよう!」
「!嬉しいです!褒めてつかわします!」
「はい!褒めてつかわされます!」
ソニアちゃんは超高校級の王女とは言え今や友人。しかも私はこの修学旅行メンバーの中で私がソニアちゃんと一番仲がいい自信がある!つまり!ソニアちゃんは私の親友!私の親友はソニアちゃんなのだ!どうだ!羨ましいだろう!
そんな中左右田くんの鋭い視線をちくちくと背中に受ける。そろそろやって来るような気がしてならない。いや、くる。なぜなら左右田くんはソニアちゃんは好きだけど、ソニアちゃんと仲良くしてる私が嫌いだから、引き剥がしにくるはずなのだ。
「おい名字!」
ほーらきた。もうそんなに睨まなくってもいいのに。左右田くんは三白眼だからか、睨まれるとさらに強そうに見える。あまり顔を見ないようにしよう。必要以上にビビってしまうから。
「……なに?どうせソニアちゃん誘うなんて図々しいとか言うんでしょ?」
「ぐっ、わかってんなら……」
「実際、ソニアちゃんは私と一緒に出かけるの楽しみにしてくれてるんですけど?」
「そうですよ!人の恋路を邪魔すると馬に蹴られて死んでしまいます!」
「ソニアちゃんそれちょっと違う」
こ、恋路……!?と固まってしまった左右田くんはやっぱりいつも通りソニアちゃん大好きで、なんていうか、…………ウザイ。
「ソニアさん、コイツなんかでいいんですか!?」
「名前さんは私の友人ですからどこへお出かけしても楽しいんです!さあ行きましょう名前さん。左右田さん、ごきげんよう。」
ソニアちゃんに手を握られてそのまま連れ出される。
「そっソニアさーん!」なんてみっともなく叫んでいる左右田くんにべーっと舌を出す。そうするとさっきまでソニアちゃんの名前を呼んでいた口は途端に「名字覚えてろよー!」なんて一昔前の負け犬みたいなことを言い出したもんだからつい笑ってしまった。
今日も私の勝ちだね、左右田くん。まあこれから先も私の大切な親友はあげたりしないんだからね。
ぱっと横を見るとニコニコ笑ってるソニアちゃんをみて余計にそう思った。
「ソニアちゃん、今日はどこ行こっか!」
「そうですね、映画館なんてどうでしょう!ラブロマンス見に行きましょう!」
「キャー!いいね!いこいこ!」