「今日からアタシのペットね」

D-NAVIさんから唐突にそう告げられた。

ことが起こる数日前ーーー。

「今日のアタシはジュディよ」

「まーた始まった」

「やれやれ」

「ジュディさん、あの」

「ちょっと！アンタまで混ざってこないで！」

「す、すみません……」

「おーコワ。相っ変わらずには冷たいよな」

「おい、D-NAVI！その態度は美しくないぞ。何度言ったらわかるんだ」

「フンッ」

「お気になさらず、と言いたいところですがお辛い時があればどうぞ私に話して下さい」

「俺でもいいぞ」

「そんな、大丈夫ですから」

「なによ、チヤホヤされていい気になって！あれで仕事をサボるようなら本当に追い出してやるわっ」





「ねぇ、ここにあったアタシのティーカップ知らない？」

「あ、茶渋が残っていたので今浸け置きしてます」

「へぇ～。でもまぁ、それくらいの気遣いは出来て当然よね」






「あ、D-NAVIさん、おリボンが」

「は？ちょっと触らないでよ！」

「はい、直りました」

「……。あ、ありがとう……」

「なんだ。もっと大きい声で言ってやれ」

いつの間にか背後にいたガイルダートさん。リボンを直すのに集中していて全く気が付かなかった。

「名無し、今D-NAVIは感謝を述べたんだ。良かったな」

「余計なこと言わないでくれる？アタシはただ礼儀知らずだなんて思われたくないだけよ！」

「素直じゃないな。そんな態度だと本当に嫌われるぞ」

「……別にいいわ」

「あ、D-NAVIさん！」

「まったく困ったものだな」

「どうしたら仲良くなれるでしょうか」

「……これは独り言だが、アイツは名無しが思っているほど嫌ってはいない」

「そうでしょうか」

「独り言だと言っただろう。ではな」