BWネオ
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「あれ?」
まただ。気づけば和室のような部屋にいた。おかしいな。いつもこうだ。就寝前、トイレの帰り道。途中までは記憶があるのにいつの間にかこの部屋に入り込んでいる。
「おはよぉ……ん~、まだ夜中だからこんばんは、かなぁ」
間延びした声。そちらを振り向くとぽやんとしたハインラッドがいた。味噌汁を作っている最中で木製のお玉でぐるぐると鍋をかき混ぜている。私がいることに部屋の主はさほど……いや、まったく気にしてはいない様子だ。
「ご、ごめん。私またやっちゃったね……」
「うぅん」
湯気の向こうでふるふると首を振っている。
「いつも言ってるけどぉ、別にいいんだよぉ~」
「あ!ロック掛けてもらえればさすがに入ってこれないと思うんだ」
「大丈夫なのにぃ…」
お椀に汁を装い、飲む?と私に差し出す。それはお客様用の椀に注がれた物だった。
「オイルは抜いてあるからね〜」
断るのも悪いので頂くことにする。
「ご馳走様。じゃあ今度お礼するから、私はこれで」
「もう帰るのぉ?もっとお話したいし、ゆっくりしていってよぉ」
「これ以上迷惑は……」
「ほっぺ、触る?」
「触る!」
「う~……!」
不法侵入したうえに更にご馳走様になりモフりまくりとなんだか悪いことばかりしている。
今夜こそはしっかりしなくちゃ!
「お、名無し!」
「丁度良かったぜ。久しぶりにオレの部屋でゲームやらね?」
「コラーダにブレイク!」
「ボクもいるよ!」
二人の後ろからひょこっと顔を出すスタンピー。
「楽しそうだけどビッグコンボイに怒られない?」
「まぁまぁ、たまにはいいだろ。バレやしねーって」
「うーん、そうだね。お邪魔します」
みんなと遊んでいれば、またハインラッドにお世話にならなくて済むし。
「やべーやられる!あ、そこ!そこのアイテム取ってくれっ」
「え?え?コレ?」
「あ、あ、無理!ムリムリムリ!早くしろぉっ」
「相変わらずヘッタクソだな」
「ホントホント。いつ見ても面白いよね~」
「もう、コラーダ交代して」
「手ねぇし」
「スタンピー…」
「ボクはまだお菓子食べてるから」
「………ん?え、えぇー!?」
いつの間にかコントローラーを握った体制であの和室に。ついさっきまでみんなと遊んでいたハズなのに…。
「私なんか病気なの……?」
「きっと疲れが溜まってるだけじゃないかなぁ」
夢遊病?キツネに化かされた?なにこれ?
「今日はどこに行ったのかわからなくてあちこち探しちゃったよ。でも見つかって良かった良かった」
ダメだ。考えてもさっぱりわからない。
「…耳、触る?」
「触る!」
「名無し!オメーなぁ!」
私を見つけた途端、羽でぺちぺちと叩いてくるブレイク。痛くはない。一応、手加減はしてくれているみたいだ。
「昨夜はどこに消えちまったんだよ。あのあと結局ぼろ負けするわ、ビッグコンボイにバレるわ説教食らうわで散々だったんだぞ」
「それが、私にもよく……」
「落ち着きなよブレイク。今度はお休みの日にじっくりやろう。ねっ」
「そうそう、ハインラッドも呼んでな」
「用事があるとかって最近は相手にしてくれなかったよね…どうかなぁ」
用事?とても忙しそうには見えなかったのに
「おや?僕のことは呼んでくれないのですか」
「ロングラック!」
「てめぇはいつも断ってくるだろうが」
「集まるなら行く行かないに関係なく声を掛けてくれても良いじゃないか」
「来ないのに?」
「えぇ」
「めんどくせぇ…」
「それに就寝時間でないのなら、全然行けますよ」
「あーハイハイ」
「みんな~、そろそろビッグコンボイ来るよ。整列整列ぅ」
スタンピーの声に全員が反応する。
「ビッグコンボイも呼んでみる?」
「うーん、来るかねぇ」
「お前ら……オレの部屋をパンクさせるつもりか」
「みんなぁ、早く早くぅ」
「うおっ、遅刻かと思ったらいたのか。ハインラッド」
「一番遅い癖に急かしてんじゃねぇよ」
今日こそは今日こそは今日こそは!無事!自室に辿り着いてみせる!
両頬をぺちん、と叩き気合いを入れ、いざっ……あれ?
目の前は真っ暗。そして体は布団に入り込んでいた。道中の記憶は全く無い。でもきっと、私がぼんやりしていただけに違いない。これは成功ということでいいのでは。
「はぁぁ~」
安心した。私、やれば出来る子。
「すやぁ……なんだなぁ」
「…………………………嘘でしょ」
ダメだった。仕方なく、ハインラッドを起こさぬよう(狸寝入りかもしれないけど)ゆっくり布団から抜け出そうとしたその時、悪魔の囁きが聞こえてきた。
「しっぽ、触る?」
「触る!」
原因は彼の能力にあり、と判明するのはまだまだ先の話。
終
まただ。気づけば和室のような部屋にいた。おかしいな。いつもこうだ。就寝前、トイレの帰り道。途中までは記憶があるのにいつの間にかこの部屋に入り込んでいる。
「おはよぉ……ん~、まだ夜中だからこんばんは、かなぁ」
間延びした声。そちらを振り向くとぽやんとしたハインラッドがいた。味噌汁を作っている最中で木製のお玉でぐるぐると鍋をかき混ぜている。私がいることに部屋の主はさほど……いや、まったく気にしてはいない様子だ。
「ご、ごめん。私またやっちゃったね……」
「うぅん」
湯気の向こうでふるふると首を振っている。
「いつも言ってるけどぉ、別にいいんだよぉ~」
「あ!ロック掛けてもらえればさすがに入ってこれないと思うんだ」
「大丈夫なのにぃ…」
お椀に汁を装い、飲む?と私に差し出す。それはお客様用の椀に注がれた物だった。
「オイルは抜いてあるからね〜」
断るのも悪いので頂くことにする。
「ご馳走様。じゃあ今度お礼するから、私はこれで」
「もう帰るのぉ?もっとお話したいし、ゆっくりしていってよぉ」
「これ以上迷惑は……」
「ほっぺ、触る?」
「触る!」
「う~……!」
不法侵入したうえに更にご馳走様になりモフりまくりとなんだか悪いことばかりしている。
今夜こそはしっかりしなくちゃ!
「お、名無し!」
「丁度良かったぜ。久しぶりにオレの部屋でゲームやらね?」
「コラーダにブレイク!」
「ボクもいるよ!」
二人の後ろからひょこっと顔を出すスタンピー。
「楽しそうだけどビッグコンボイに怒られない?」
「まぁまぁ、たまにはいいだろ。バレやしねーって」
「うーん、そうだね。お邪魔します」
みんなと遊んでいれば、またハインラッドにお世話にならなくて済むし。
「やべーやられる!あ、そこ!そこのアイテム取ってくれっ」
「え?え?コレ?」
「あ、あ、無理!ムリムリムリ!早くしろぉっ」
「相変わらずヘッタクソだな」
「ホントホント。いつ見ても面白いよね~」
「もう、コラーダ交代して」
「手ねぇし」
「スタンピー…」
「ボクはまだお菓子食べてるから」
「………ん?え、えぇー!?」
いつの間にかコントローラーを握った体制であの和室に。ついさっきまでみんなと遊んでいたハズなのに…。
「私なんか病気なの……?」
「きっと疲れが溜まってるだけじゃないかなぁ」
夢遊病?キツネに化かされた?なにこれ?
「今日はどこに行ったのかわからなくてあちこち探しちゃったよ。でも見つかって良かった良かった」
ダメだ。考えてもさっぱりわからない。
「…耳、触る?」
「触る!」
「名無し!オメーなぁ!」
私を見つけた途端、羽でぺちぺちと叩いてくるブレイク。痛くはない。一応、手加減はしてくれているみたいだ。
「昨夜はどこに消えちまったんだよ。あのあと結局ぼろ負けするわ、ビッグコンボイにバレるわ説教食らうわで散々だったんだぞ」
「それが、私にもよく……」
「落ち着きなよブレイク。今度はお休みの日にじっくりやろう。ねっ」
「そうそう、ハインラッドも呼んでな」
「用事があるとかって最近は相手にしてくれなかったよね…どうかなぁ」
用事?とても忙しそうには見えなかったのに
「おや?僕のことは呼んでくれないのですか」
「ロングラック!」
「てめぇはいつも断ってくるだろうが」
「集まるなら行く行かないに関係なく声を掛けてくれても良いじゃないか」
「来ないのに?」
「えぇ」
「めんどくせぇ…」
「それに就寝時間でないのなら、全然行けますよ」
「あーハイハイ」
「みんな~、そろそろビッグコンボイ来るよ。整列整列ぅ」
スタンピーの声に全員が反応する。
「ビッグコンボイも呼んでみる?」
「うーん、来るかねぇ」
「お前ら……オレの部屋をパンクさせるつもりか」
「みんなぁ、早く早くぅ」
「うおっ、遅刻かと思ったらいたのか。ハインラッド」
「一番遅い癖に急かしてんじゃねぇよ」
今日こそは今日こそは今日こそは!無事!自室に辿り着いてみせる!
両頬をぺちん、と叩き気合いを入れ、いざっ……あれ?
目の前は真っ暗。そして体は布団に入り込んでいた。道中の記憶は全く無い。でもきっと、私がぼんやりしていただけに違いない。これは成功ということでいいのでは。
「はぁぁ~」
安心した。私、やれば出来る子。
「すやぁ……なんだなぁ」
「…………………………嘘でしょ」
ダメだった。仕方なく、ハインラッドを起こさぬよう(狸寝入りかもしれないけど)ゆっくり布団から抜け出そうとしたその時、悪魔の囁きが聞こえてきた。
「しっぽ、触る?」
「触る!」
原因は彼の能力にあり、と判明するのはまだまだ先の話。
終
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