「名無しの時代では異世界転生が人気だったんだな」

「はい、面白いの沢山ありますよ。私のおすすめ是非読んでもらいたいです」

スクーバさんが読書を好むのは知っていたけど、娯楽の本まで読んでいたとは意外だった。おかげで話題が尽きる事はなく、二人で楽しい時間を過ごしている。

「それなら今度遺跡で一緒に探してみるでゲソ」

「あ、そうしたいのはやまやまですが、私が外に出るとご迷惑になるんじゃ…」

「ふむ、ちょっと目を離した隙に猛獣に襲われでもしたらエラいことだ。一応ライオコンボイに確認してみよう」

「許可貰えるでしょうか」

「恐らく一秒で了承してくれるとは思う」

「そんなまさか」





「良いだろう」

「ホントだ！」

保護していただけるだけでもありがたいのに外出許可まで。

え、本当に大丈夫かな。

「私も前から考えてはいたんだ。たまには外の空気でも吸わないと体にも悪いだろう」

その代わり、と話を続ける。

「決して一人では出ないこと。必ず誰かと一緒に行動するように。それが条件だ」

「ありがとうございます！」

「スクーバも名無しをよく見てやってくれ」

「了解！」

「うん、みんなには私から話を通しておこう」

「本当にありがとうございます。今度めいいっぱいブラッシングさせていただきます！」

「ハハハ、それは楽しみだ」

「…いいなぁ～」