「起きたぁ！大丈夫か司令官殿？」

「あぁ、ビッグホーン。心配かけたな……名無しは？」

「そこにいるぞ」

「……ん、ふぁ、あ」

目を覚ますとライオコンボイさんとお兄さんが私を覗き込んでいた。

「名無し、聞こえるか！兄ちゃんだぞ！ライオコンボイも起きたぞ！」

「うん、帰って来れたんだね」

「ありがとう。君がいてくれたおかげで助かったんだ」

お兄さんが通信で皆に呼びかける。全員すぐに駆け付けてくれた。

「オイ、ライオコンボイが目覚ましたというのは本当か！」

「ライオコンボイ！」

「 名無し、具合は？どこも悪いところはないだろうか」

「うん、ライオコンボイも大丈夫？苦しくない？」

「名無しを見ていたら全て吹っ飛んださ」

「え～、も、もうっ」

「う、おぉぉ～！ご無事だったぁ～！！良かった！よがっだぁぁぁあ」

「アパッチ泣きすぎだ」

「しっかしなんだ？あの甘い空気は」

「ワテらは完全に蚊帳の外でんがな」

「あらあら。キッド、どうにかしてよ」

「誰があんなところに割って入れるんだよ。いたらお目にかかりたいもんだぜ」

「父さーん！母さーん！」

「若ぁ！」

「いけません！今は二人だけの世界に……あぁっ」

「いたわね」

「ジュニアは息子だしセーフってことで」

「って、え？え？母さん？つーことは何だ。ジュニアはワシにとって…えー……なんじゃい」

「甥っ子にあたるな」

「カワイイ甥っ子が出来て良かったな～。ウシ伯父さん？」

「おっ……じ！？」

「ごめんビッグホーン、ちょっと嫌かも」

「しかもそっちが断るんかーいっ」

賑やかな笑い声が室内を包む。すっかり疲れは取れたようだった。

「さて、悠長にしている場合ではないな。アパッチ、状況は？」

「はっ」

「ライオコンボイ………」

「大丈夫だ。必ず平和を取り戻してみせる。だから、見守っていてくれ」

大きく頷く。

信じてる。だって私が小さい頃からの憧れのヒーローなんだから絶対に負けたりなんかしない。