間違いでも
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朝。ルーティーンをこなし、まだ寝ているであろう彼氏を起こしに行く。
「あれっ?早いね」
部屋から出てきたキッドと鉢合わせた。
「…………。」
まだ寝ぼけてるのかな。
「キッド~?おーい?」
キッドは首を振ってからなんでもない、と普段より低い、少し震えた声で返事をした。心なしか目も潤んでいる様で……
「ンなことよか、昨日のことは夢じゃない、よな?」
頭を搔いて少し不安げな顔だ。それを吹き飛ばせるように、今度は私から抱きつく。
「うおっ、あっぶねーだろ。いきなり飛び付くんじゃないのっ」
「目覚めた?」
「かなり。名無しって時々大胆なことするよな」
「ヤだった?」
「めちゃくちゃ嬉しい!」
なら良かった。
「それにしても今日は早起きだね。ちゃんと眠ったの?」
「まぁ、多少は…。名無しはどうなんだ?」
「……あんまり」
「ほぉ~、理由は?原因は誰なんだろーなー?」
「……知らない!」
「フンフ~ン♪」
鼻歌を歌っている。今日はやたらとご機嫌そうだ。
「あ、そうだ!オレらのこと話してもいいよな?」
「普通にイヤ」
「普通にイヤ!?なんでだよっ」
「だって、わざわざ話さなくても良くない?恥ずかしいし」
「そ、そういう意味か。はぁー、オレはすぐにでも自慢したいんだけどなァ」
「その気持ちはすっごく嬉しいよ。でも……んー……もうちょっとだけ待って?」
正直、私はキッドに釣り合ってなんかいないと思っている。星を守る為に戦うだなんてそんな大層なことは出来ない。
でも、いつか胸を張って恋人だって言えるようになれればいいな。
「そっか。わかったよ」
「みんなー、聞いてくれー!今!オレは!名無しと!付き合ってる!!」
「「は?」」
「「え?」」
「「ん?」」
「っつー訳だから、必要以上にベタベタしないこと。以上!」
「ちょっとこっち来て」
離れた場所に連れ出す。
「なんで言ったのっ!?!?」
「悪い悪い、ちょっと我慢出来なかった」
「絶対ウソ!」
ヘラヘラと笑っていて、全く悪びれているようには見えない。きっと、最初から言うつもりだったのだろう。さっきの確認は一体なんだったのか。
「次やったら叩くよ?」
「お前にやられても痛くないって。蚊が止まるようなモンだぜ?」
「あ、そうなんだ~。じゃあ思いっきりシッポ引っ張っても平気だよね~?私、力弱いから~」
「コワ………いや、想像してみたら大丈夫そうだ。なんなら今試してみようぜ?」
「目を狙うしかないかぁー」
「こえぇ……」
頑張ろう。
「なんだったのかしら今の?」
「あー。昨日の……」
「キッドのヤツ、長いこと片想いしとるからな。とうとうおかしくなったんじゃい」
「あぁ、虚言癖か……」
「そう疑ってやるな。本当のことかもしれないぞ」
「ンー、コレばかりはどうでしょうなぁ」
「みんなー、もう一回聞いてくれー! 名無しはオレの告白が嬉しくて夜も眠れなかったらしいぞー!」
「ちょっとーーーーー!?」
「良いじゃねぇか、せっかく彼女が出来たんだから祝ってもらいたいのっ。オレは」
「だから…っ」
「あとお前、モテるから牽制の意味も込めて」
「そんなこと考えてたの!?」
「おめでとう!まさかキッドと名無しがねぇ……。意外だわ」
「はー……ハハ、私も昨日のコトにびっくりだよ」
「き、昨日?」
「付き合いたてだったのか」
「おっし、次はインセクトロンだな。行こうぜ」
「やだってばっ」
「キッドォォーー!本気か!?本っ当に名無しと付き合っとるんかっっっ!?エェッ!?」
「近い近い近い!だからそうだって言ってるだろ。なっ、名無し」
「うん、まぁ」
「ぐ…っ!う、うぅおぉ、こんなにかわいがっている妹がキッドに取られるとは!」
「落ち着いて、お兄さん」
「はー、まだその設定続いてたんやな」
「い、いつの間にそんなことになったんだ……」
「実はかくかくしかじか」
「それはいいな。機会があれば私達もやってもらおうじゃないか」
「牛の……妹……?」
「名無しはそれで良いのか?」
「もちろん、宇宙一かわいくてカッコイイ牛兄さん最高じゃないですかっ」
「すっかりお兄ちゃんっ子になってしまったなぁ」
「でもまぁ、おめでたい事やし今夜はパーッとお祝いしまひょか」
「まだじゃ、まだワシは認めんのじゃーいっっ」
「なんでお前の許可がいるんだよ……」
「勝負じゃキッド!ワシに勝てたら二人の関係を認めてやるんじゃいっっ!!!」
「聞いてオレの話!」
今にも体当たりしそうなお兄さんに冷や汗ダラダラで引き気味のキッドだった。
「落ち着けってビックホーン、一番大事なのは名無しの気持ちだろ?」
「ぬ、うぅ……確かにキッドの言う通りなんじゃい。だが……っ」
「もっと平和的に行こうぜ。仲良くやろう、義兄さん!」
最後の一言が余計だった。場の空気が凍りつく。
「あ、あれ?オレやっちゃった?」
無言のまま全員で首を縦に振る。向こうは既にアップを始めていた。
「キサマに兄と呼ばれる筋合いはなーーーいっ」
「うわぁぁあぁぁっーーっ!!!?」
「待つんじゃぁぁあああーーーっ」
「あぁ……」
とうとう追いかけっこが始まってしまった。
「よろしいのですか、ライオコンボイ?」
「何がだ」
「いえ、例えばの話ではありますが、恋にうつつを抜かして、力を発揮出来なければ不味いのではないかと」
「キッドなら大丈夫だよ。誰かの応援は私達を更に強くさせてくれる。そう実感したからな」
「へ、え?実感?」
「名無し」
「あ、はい!」
「キッドをよろしく頼む」
「?? わかりました」
「しかし、あれは当分戻ってきそうにないな……」
「じゃあじゃあっ、その間に詳しく聞いちゃおうかしら」
「返事はなんと?」
「えぇぇ……」
みんなにアレコレ詮索されていると、しばらくしてヘロヘロな状態で二人が戻ってきた。床に背を付けて息を切らしている。
結果として、キッドはどうにか逃げ切り、根性だけは及第点をもらえたらしい。
「あれっ?早いね」
部屋から出てきたキッドと鉢合わせた。
「…………。」
まだ寝ぼけてるのかな。
「キッド~?おーい?」
キッドは首を振ってからなんでもない、と普段より低い、少し震えた声で返事をした。心なしか目も潤んでいる様で……
「ンなことよか、昨日のことは夢じゃない、よな?」
頭を搔いて少し不安げな顔だ。それを吹き飛ばせるように、今度は私から抱きつく。
「うおっ、あっぶねーだろ。いきなり飛び付くんじゃないのっ」
「目覚めた?」
「かなり。名無しって時々大胆なことするよな」
「ヤだった?」
「めちゃくちゃ嬉しい!」
なら良かった。
「それにしても今日は早起きだね。ちゃんと眠ったの?」
「まぁ、多少は…。名無しはどうなんだ?」
「……あんまり」
「ほぉ~、理由は?原因は誰なんだろーなー?」
「……知らない!」
「フンフ~ン♪」
鼻歌を歌っている。今日はやたらとご機嫌そうだ。
「あ、そうだ!オレらのこと話してもいいよな?」
「普通にイヤ」
「普通にイヤ!?なんでだよっ」
「だって、わざわざ話さなくても良くない?恥ずかしいし」
「そ、そういう意味か。はぁー、オレはすぐにでも自慢したいんだけどなァ」
「その気持ちはすっごく嬉しいよ。でも……んー……もうちょっとだけ待って?」
正直、私はキッドに釣り合ってなんかいないと思っている。星を守る為に戦うだなんてそんな大層なことは出来ない。
でも、いつか胸を張って恋人だって言えるようになれればいいな。
「そっか。わかったよ」
「みんなー、聞いてくれー!今!オレは!名無しと!付き合ってる!!」
「「は?」」
「「え?」」
「「ん?」」
「っつー訳だから、必要以上にベタベタしないこと。以上!」
「ちょっとこっち来て」
離れた場所に連れ出す。
「なんで言ったのっ!?!?」
「悪い悪い、ちょっと我慢出来なかった」
「絶対ウソ!」
ヘラヘラと笑っていて、全く悪びれているようには見えない。きっと、最初から言うつもりだったのだろう。さっきの確認は一体なんだったのか。
「次やったら叩くよ?」
「お前にやられても痛くないって。蚊が止まるようなモンだぜ?」
「あ、そうなんだ~。じゃあ思いっきりシッポ引っ張っても平気だよね~?私、力弱いから~」
「コワ………いや、想像してみたら大丈夫そうだ。なんなら今試してみようぜ?」
「目を狙うしかないかぁー」
「こえぇ……」
頑張ろう。
「なんだったのかしら今の?」
「あー。昨日の……」
「キッドのヤツ、長いこと片想いしとるからな。とうとうおかしくなったんじゃい」
「あぁ、虚言癖か……」
「そう疑ってやるな。本当のことかもしれないぞ」
「ンー、コレばかりはどうでしょうなぁ」
「みんなー、もう一回聞いてくれー! 名無しはオレの告白が嬉しくて夜も眠れなかったらしいぞー!」
「ちょっとーーーーー!?」
「良いじゃねぇか、せっかく彼女が出来たんだから祝ってもらいたいのっ。オレは」
「だから…っ」
「あとお前、モテるから牽制の意味も込めて」
「そんなこと考えてたの!?」
「おめでとう!まさかキッドと名無しがねぇ……。意外だわ」
「はー……ハハ、私も昨日のコトにびっくりだよ」
「き、昨日?」
「付き合いたてだったのか」
「おっし、次はインセクトロンだな。行こうぜ」
「やだってばっ」
「キッドォォーー!本気か!?本っ当に名無しと付き合っとるんかっっっ!?エェッ!?」
「近い近い近い!だからそうだって言ってるだろ。なっ、名無し」
「うん、まぁ」
「ぐ…っ!う、うぅおぉ、こんなにかわいがっている妹がキッドに取られるとは!」
「落ち着いて、お兄さん」
「はー、まだその設定続いてたんやな」
「い、いつの間にそんなことになったんだ……」
「実はかくかくしかじか」
「それはいいな。機会があれば私達もやってもらおうじゃないか」
「牛の……妹……?」
「名無しはそれで良いのか?」
「もちろん、宇宙一かわいくてカッコイイ牛兄さん最高じゃないですかっ」
「すっかりお兄ちゃんっ子になってしまったなぁ」
「でもまぁ、おめでたい事やし今夜はパーッとお祝いしまひょか」
「まだじゃ、まだワシは認めんのじゃーいっっ」
「なんでお前の許可がいるんだよ……」
「勝負じゃキッド!ワシに勝てたら二人の関係を認めてやるんじゃいっっ!!!」
「聞いてオレの話!」
今にも体当たりしそうなお兄さんに冷や汗ダラダラで引き気味のキッドだった。
「落ち着けってビックホーン、一番大事なのは名無しの気持ちだろ?」
「ぬ、うぅ……確かにキッドの言う通りなんじゃい。だが……っ」
「もっと平和的に行こうぜ。仲良くやろう、義兄さん!」
最後の一言が余計だった。場の空気が凍りつく。
「あ、あれ?オレやっちゃった?」
無言のまま全員で首を縦に振る。向こうは既にアップを始めていた。
「キサマに兄と呼ばれる筋合いはなーーーいっ」
「うわぁぁあぁぁっーーっ!!!?」
「待つんじゃぁぁあああーーーっ」
「あぁ……」
とうとう追いかけっこが始まってしまった。
「よろしいのですか、ライオコンボイ?」
「何がだ」
「いえ、例えばの話ではありますが、恋にうつつを抜かして、力を発揮出来なければ不味いのではないかと」
「キッドなら大丈夫だよ。誰かの応援は私達を更に強くさせてくれる。そう実感したからな」
「へ、え?実感?」
「名無し」
「あ、はい!」
「キッドをよろしく頼む」
「?? わかりました」
「しかし、あれは当分戻ってきそうにないな……」
「じゃあじゃあっ、その間に詳しく聞いちゃおうかしら」
「返事はなんと?」
「えぇぇ……」
みんなにアレコレ詮索されていると、しばらくしてヘロヘロな状態で二人が戻ってきた。床に背を付けて息を切らしている。
結果として、キッドはどうにか逃げ切り、根性だけは及第点をもらえたらしい。