初めて
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「それでそれで?その後はどうなったの?もっと聞きたいな。名無しの世界の童話」
「王子様はね、最後にお姫様にキスをして……」
うんうん、と楽しそうに聞いてくれるジュニアが可愛らしくついつい話が止まらなくなってしまった。
そうしている内に段々と喉が渇いてきた。
「ちょっとお水飲んでくるね」
立ち上がり急に歩き出そうとしたものだから、自分の足に引っかかり倒れそうになる。
「危ないっ」
ジュニアが庇ってくれたおかげで地面への衝突は免れた。でも、仰向けに倒れた巨体の上に覆い被さるような形になってしまった。お互いの距離が近い。10センチもないほどだ。ジュニアは私を両腕で抱え込んだまま上半身を起こす。
「あ、ありがと……」
「………名無し」
すぐに退こうとすると頭を押さえされた。口と口が触れ合う。ほんの一瞬の出来事が長く感じられた。
「ぷはっ……」
「ジュ、ジュニアっ!?」
「名無しって全然味しないんだね。もっと甘いのかと思ってたよ」
「なっ、なっなっ、なっ……!?」
訳がわからない。今キスされた?ジュニアに?な、なんで!!??てゆか、これひょっとして犯罪!?私、捕まる?追放?
いよいよ混乱してきた。
「離れるの早かったかも。ねぇ、もう一回しよ……痛っ」
スパーンッと大きな音がした直後、頭を前に倒しながら痛そうにしている。一体何がどうなっているのか
「ム、ムーン!いつの間に来てたの?」
ムーン?
「も~、いきなり背後から襲うなんて酷いや」
「だ、誰かそこにいるの?」
「あ、名無しにも見えないんだね。ムーンはボクの友達。月の監視者でボクたちを助けてくれるんだ」
「あぁ!」
そういえば、ライオコンボイさんがそんな事言ってたっけ。
「初めまして、ムーンさん。名無しと申します。え、と、お力添え大変感謝しております」
「そんなに畏まらなくてもイイってさ。もっとフランクに、だって」
その言葉に頷くも緊張は解けない。
「どんな方?」
「ウサギ型のロボットで……身長はこれくらいだよ」
「え?かわいい系!?」
思ってたのと違った。あ~、私も姿が見えればいいのに。残念
「あ、ムーン!」
ーーーぎゅっ
腰を圧迫されているような感覚。抱きしめられているみたいだった。この辺にいるっぽい。
「いいなぁ。気持ち良さそう……」
手探りでどうにか頭を撫でることに成功したっぽい。
「見えてないんだよね?」
「うん、でも温かい感じがするからここにいるのはわかるよ」
しゃがみ込み、顔辺りをわしゃわしゃしてみる。
「名無し名無し!それボクにもやってよ」
「うん、後でね」
「ちぇー……」
「ね、今のムーンどうしてる?」
「知らなーい」
あ、拗ねちゃった。
「ごめんね、ジュニア」
不機嫌な頭を撫でようとすると……
「んんっ!?」
顔が固定された様に動けず口に何かが当たった。
「あぁーっ、ムーン!ダメだよ!もー待てーーー!!」
上空に叫びながら走り出す。今度はなにが起こったのか聞いてみると「ムーンに聞いてみたら?」と素っ気ないお返事。
オリジナルブレンドのオイルでどうにか機嫌は直ったけど、何だったんだろう?
終
「王子様はね、最後にお姫様にキスをして……」
うんうん、と楽しそうに聞いてくれるジュニアが可愛らしくついつい話が止まらなくなってしまった。
そうしている内に段々と喉が渇いてきた。
「ちょっとお水飲んでくるね」
立ち上がり急に歩き出そうとしたものだから、自分の足に引っかかり倒れそうになる。
「危ないっ」
ジュニアが庇ってくれたおかげで地面への衝突は免れた。でも、仰向けに倒れた巨体の上に覆い被さるような形になってしまった。お互いの距離が近い。10センチもないほどだ。ジュニアは私を両腕で抱え込んだまま上半身を起こす。
「あ、ありがと……」
「………名無し」
すぐに退こうとすると頭を押さえされた。口と口が触れ合う。ほんの一瞬の出来事が長く感じられた。
「ぷはっ……」
「ジュ、ジュニアっ!?」
「名無しって全然味しないんだね。もっと甘いのかと思ってたよ」
「なっ、なっなっ、なっ……!?」
訳がわからない。今キスされた?ジュニアに?な、なんで!!??てゆか、これひょっとして犯罪!?私、捕まる?追放?
いよいよ混乱してきた。
「離れるの早かったかも。ねぇ、もう一回しよ……痛っ」
スパーンッと大きな音がした直後、頭を前に倒しながら痛そうにしている。一体何がどうなっているのか
「ム、ムーン!いつの間に来てたの?」
ムーン?
「も~、いきなり背後から襲うなんて酷いや」
「だ、誰かそこにいるの?」
「あ、名無しにも見えないんだね。ムーンはボクの友達。月の監視者でボクたちを助けてくれるんだ」
「あぁ!」
そういえば、ライオコンボイさんがそんな事言ってたっけ。
「初めまして、ムーンさん。名無しと申します。え、と、お力添え大変感謝しております」
「そんなに畏まらなくてもイイってさ。もっとフランクに、だって」
その言葉に頷くも緊張は解けない。
「どんな方?」
「ウサギ型のロボットで……身長はこれくらいだよ」
「え?かわいい系!?」
思ってたのと違った。あ~、私も姿が見えればいいのに。残念
「あ、ムーン!」
ーーーぎゅっ
腰を圧迫されているような感覚。抱きしめられているみたいだった。この辺にいるっぽい。
「いいなぁ。気持ち良さそう……」
手探りでどうにか頭を撫でることに成功したっぽい。
「見えてないんだよね?」
「うん、でも温かい感じがするからここにいるのはわかるよ」
しゃがみ込み、顔辺りをわしゃわしゃしてみる。
「名無し名無し!それボクにもやってよ」
「うん、後でね」
「ちぇー……」
「ね、今のムーンどうしてる?」
「知らなーい」
あ、拗ねちゃった。
「ごめんね、ジュニア」
不機嫌な頭を撫でようとすると……
「んんっ!?」
顔が固定された様に動けず口に何かが当たった。
「あぁーっ、ムーン!ダメだよ!もー待てーーー!!」
上空に叫びながら走り出す。今度はなにが起こったのか聞いてみると「ムーンに聞いてみたら?」と素っ気ないお返事。
オリジナルブレンドのオイルでどうにか機嫌は直ったけど、何だったんだろう?
終