月、酒、記憶
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早々に基地の中へと戻っていったアパッチさん。
残された私は、ライオコンボイさんと横になった丸太に座り、ゆったりとした時間を過ごす。
ライオコンボイさんが持参したお酒が空になり、次にいくと…
「薄いな…」
「ですね…」
確かに少し水っぽい。アパッチさんが細工したんだろうな。
「……まさか名無しにこんなイタズラをされるとは」
「うぇ!?私じゃないですよっ」
「さて、やり返される覚悟はあるのかな」
顔を近づけられ、思わず後退りしてしまう。念の為コップは近くに置いておいた。
「違いますって!」
とんだとばっちりだ。あとでアパッチさんに抗議しよう。
「ん?…え?」
「どうした?」
「ここにあった私のお酒が…あれ?」
確かにここに置いた筈なのに。キョロキョロと辺りを探しても見つからなかった。
「フッ…ククッ」
「? なんで笑ってるんですか。あ、さては…」
「さあ?どうかな」
「まだ何も言ってません!もーっ」
まさか、こんな早くに仕返しをされるなんて。いや、私は巻き込まれただけなんだけど。
「無いのなら仕方がないな。私のを呑むといい」
「おちょくってますね」
「名無しがあまりにも素直な反応でつい、な」
差し出されたトランスフォーマーサイズの大きなコップ。こぼさないように慎重に一口だけいただいた。
「司令官さんって意外といじわるです。普段は優しくて頼りになる正義のヒーローなのに」
「そんな大層なものでもないさ」
「謙遜しないで下さい。ライオコンボイさんは誰がどう見てもカッコイイヒーローですよ」
「……………………………………………。」
誰かが困っていれば自分の損得なんて関係なしに手を差し伸べる。そんな方だ。だからこそ、あんなに慕われている理由がよく分かった。
「あ…れ?」
急に頭の中にモヤのかかった映像が流れた。ショッピングモールのおもちゃコーナー。店内のテレビからは当時の新作ゲームのPVが流れていたり、スポンジで出来た剣を振るう男の子達がいたりと騒がしい様子だ。そんな中、一人の女の子がいた。時折、ロボットの棚を眺めては目を逸らす。その繰り返しだ。どことなくその姿は自分によく似ていた。
そういえば長期の休みには、おばあちゃんによくデパートに連れていってもらっていた。
でも、このお店、今はもう無くなったんだっけ。
私が懐かしさに浸っていると、その女の子を老夫婦が迎えに来た。
「あ…」
私のおじいちゃんとおばあちゃんだ!間違いない。
……でもそれはおかしい。
だって、二人は研究で忙しくて一緒に遊んだ記憶なんてほぼなかった。
母方のほうでもない。顔が全然違う。
このお店もそうだ。行ったことなんてない。なのに知ってる。
これは本当に私の記憶なのか、はたまた別の誰かのものか。
混乱している間に、二人に手を引かれたその子はどこかへ行ってしまった。
「そうか…そうだったのか!」
「わっ!?」
ライオコンボイさんの声で現実に戻された。
今までのは一体…
残された私は、ライオコンボイさんと横になった丸太に座り、ゆったりとした時間を過ごす。
ライオコンボイさんが持参したお酒が空になり、次にいくと…
「薄いな…」
「ですね…」
確かに少し水っぽい。アパッチさんが細工したんだろうな。
「……まさか名無しにこんなイタズラをされるとは」
「うぇ!?私じゃないですよっ」
「さて、やり返される覚悟はあるのかな」
顔を近づけられ、思わず後退りしてしまう。念の為コップは近くに置いておいた。
「違いますって!」
とんだとばっちりだ。あとでアパッチさんに抗議しよう。
「ん?…え?」
「どうした?」
「ここにあった私のお酒が…あれ?」
確かにここに置いた筈なのに。キョロキョロと辺りを探しても見つからなかった。
「フッ…ククッ」
「? なんで笑ってるんですか。あ、さては…」
「さあ?どうかな」
「まだ何も言ってません!もーっ」
まさか、こんな早くに仕返しをされるなんて。いや、私は巻き込まれただけなんだけど。
「無いのなら仕方がないな。私のを呑むといい」
「おちょくってますね」
「名無しがあまりにも素直な反応でつい、な」
差し出されたトランスフォーマーサイズの大きなコップ。こぼさないように慎重に一口だけいただいた。
「司令官さんって意外といじわるです。普段は優しくて頼りになる正義のヒーローなのに」
「そんな大層なものでもないさ」
「謙遜しないで下さい。ライオコンボイさんは誰がどう見てもカッコイイヒーローですよ」
「……………………………………………。」
誰かが困っていれば自分の損得なんて関係なしに手を差し伸べる。そんな方だ。だからこそ、あんなに慕われている理由がよく分かった。
「あ…れ?」
急に頭の中にモヤのかかった映像が流れた。ショッピングモールのおもちゃコーナー。店内のテレビからは当時の新作ゲームのPVが流れていたり、スポンジで出来た剣を振るう男の子達がいたりと騒がしい様子だ。そんな中、一人の女の子がいた。時折、ロボットの棚を眺めては目を逸らす。その繰り返しだ。どことなくその姿は自分によく似ていた。
そういえば長期の休みには、おばあちゃんによくデパートに連れていってもらっていた。
でも、このお店、今はもう無くなったんだっけ。
私が懐かしさに浸っていると、その女の子を老夫婦が迎えに来た。
「あ…」
私のおじいちゃんとおばあちゃんだ!間違いない。
……でもそれはおかしい。
だって、二人は研究で忙しくて一緒に遊んだ記憶なんてほぼなかった。
母方のほうでもない。顔が全然違う。
このお店もそうだ。行ったことなんてない。なのに知ってる。
これは本当に私の記憶なのか、はたまた別の誰かのものか。
混乱している間に、二人に手を引かれたその子はどこかへ行ってしまった。
「そうか…そうだったのか!」
「わっ!?」
ライオコンボイさんの声で現実に戻された。
今までのは一体…