第8章 GW合宿2日目
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いつにも増して眉尻がぐっと下がり、眉はくっきりと八の字の形になっている。
1番見られたくない相手に、しかもこんな醜態を見られるなんて。
羞恥心から、思わず旭先輩から顔をそむける。
「っ、すみません、今ひどい顔してるから…」
「いや、俺こそごめん、声かけない方が良かった…よな」
零れ落ちる涙を手の甲でぬぐって、ふるふると首を振る。
「いえ……」
それ以上、言葉が出なかった。
こんな姿を見られたくは無かったし、さっきの会話だって聞かれたくはなかった。
けれど、このまま1人にされるのも辛い。
放っておかれたら、どこまでも暗い穴底に落ちていきそうだ。
すがるように、旭先輩が羽織っているジャージの裾を掴む。
旭先輩は一瞬困ったように息を飲んだが、何も言わずに背中をゆっくりとさすってくれた。
色んな感情が中から溢れて、涙となってこぼれていく。
旭先輩は事情がよく飲みこめていないだろうし、迷惑をかけて申し訳ないと思う。
けれどそれと同時に、背中をなでる大きなあたたかい手がひどく愛しくも思う。
しばらくそうやって無言の時間が過ぎ、気持ちが落ち着いてきた頃、私はふぅと息をついた。
「…ありがとうございます、旭先輩」
「……いや、俺は別に何も……」
「恥ずかしい所、見られちゃいましたね」
それまでの重苦しい空気を変えようと、努めて明るくそう言ってみる。えへへ、と若干おどけたように笑うと、旭先輩は少し考え込むような表情になった。
「あのさ、黒崎」
鼻をすすって旭先輩の目を見ると、そこにはいつものふにゃりとした顔の旭先輩はいなかった。あまり見たことのない真剣な眼差しで旭先輩は私を見ていた。
「プライベートなことだから、俺が力になれることはないのかもしれないけど……。1人で、溜めこむなよ」
そこまで言って、旭先輩は1度言葉を区切った。
最適な言葉を探しながら、私に話しかけてくれているようだった。
「お前はさ、いっつも一生懸命でさ。いつ見ても全力投球してるように見えるんだよね。それって凄いことだし、偉いと思う。でも、どこかで無理してるんじゃないかな、って、俺思ってたんだ。誰にも頼らずに全部1人で頑張ろうとしているように見えてさ。…しんどい時は、誰かを頼ってもいいんじゃないかな。今みたいな時、とか。」
な?と言う旭先輩の眉尻がゆっくりと下がる。
1番見られたくない相手に、しかもこんな醜態を見られるなんて。
羞恥心から、思わず旭先輩から顔をそむける。
「っ、すみません、今ひどい顔してるから…」
「いや、俺こそごめん、声かけない方が良かった…よな」
零れ落ちる涙を手の甲でぬぐって、ふるふると首を振る。
「いえ……」
それ以上、言葉が出なかった。
こんな姿を見られたくは無かったし、さっきの会話だって聞かれたくはなかった。
けれど、このまま1人にされるのも辛い。
放っておかれたら、どこまでも暗い穴底に落ちていきそうだ。
すがるように、旭先輩が羽織っているジャージの裾を掴む。
旭先輩は一瞬困ったように息を飲んだが、何も言わずに背中をゆっくりとさすってくれた。
色んな感情が中から溢れて、涙となってこぼれていく。
旭先輩は事情がよく飲みこめていないだろうし、迷惑をかけて申し訳ないと思う。
けれどそれと同時に、背中をなでる大きなあたたかい手がひどく愛しくも思う。
しばらくそうやって無言の時間が過ぎ、気持ちが落ち着いてきた頃、私はふぅと息をついた。
「…ありがとうございます、旭先輩」
「……いや、俺は別に何も……」
「恥ずかしい所、見られちゃいましたね」
それまでの重苦しい空気を変えようと、努めて明るくそう言ってみる。えへへ、と若干おどけたように笑うと、旭先輩は少し考え込むような表情になった。
「あのさ、黒崎」
鼻をすすって旭先輩の目を見ると、そこにはいつものふにゃりとした顔の旭先輩はいなかった。あまり見たことのない真剣な眼差しで旭先輩は私を見ていた。
「プライベートなことだから、俺が力になれることはないのかもしれないけど……。1人で、溜めこむなよ」
そこまで言って、旭先輩は1度言葉を区切った。
最適な言葉を探しながら、私に話しかけてくれているようだった。
「お前はさ、いっつも一生懸命でさ。いつ見ても全力投球してるように見えるんだよね。それって凄いことだし、偉いと思う。でも、どこかで無理してるんじゃないかな、って、俺思ってたんだ。誰にも頼らずに全部1人で頑張ろうとしているように見えてさ。…しんどい時は、誰かを頼ってもいいんじゃないかな。今みたいな時、とか。」
な?と言う旭先輩の眉尻がゆっくりと下がる。