第8章 GW合宿2日目
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「……お母さん、学校に電話してきたら何かあったって心配になるからやめて。先生にも迷惑だし。もう切るから」
『ちょっと!聞いてよ!!寛治ったらね~』
「…お母さんこそ人の話聞いて。もう、切るから」
『嫌よ!今日誰も付き合ってくれないんだもん!!話くらい聞いてくれてもいいでしょ~』
母のキンキンした声が、受話器から大音量で漏れ出ている。
武田先生の耳にも入ってしまっているに違いない。
恥ずかしい。本当に恥ずかしい。
このままここで会話を続けることだけは避けたい。
「……携帯で話聞くから。これ学校の電話だから、緊急時以外はかけてきちゃダメなんだよ」
『緊急よぉ~!!お母さんの話はいつだって緊急よぉ』
怒りを通り越して呆れの境地にいたる。
だいぶ酔っぱらっているのだろう、この母に何を言っても無駄なようだ。
「とにかく一旦切るから。携帯からそっちかけるから待ってて」
『分かったわよ……早くかけてよね』
しぶしぶといった感じではあったが、なんとか母の了解を得て、電話を切る。
「…うちの母がご迷惑おかけしました。取り次いでもらったのに大した用件でなくてすみません…」
武田先生に深々と頭を下げて、ロビーを後にする。
先生は「何事もなくて良かったですね」と優しく言ってくれたけれど、恥ずかしくて仕方なかった。
昔から何度他の大人たちに頭を下げてきただろう。
おかげで大人から見れば『しっかりした良い子』の印象の強い人間にはなったけれど、こんないらない苦労をしてそうなったとは他人に知られたくないものだ。
「黒崎、大丈夫だったか?家から連絡あったんだろ?」
部屋に戻る途中、澤村先輩に呼び止められた。
詳細については絶対に言えない。
曖昧な笑顔で、「大したことありませんでした」とだけ答えて部屋へと急いだ。
「……?」
私の後ろ姿を、澤村先輩が訝しんで見ているのには気が付かなかった。
******
部屋に戻るなり、潔子先輩達に心配されるも、どれも曖昧に笑って返事をする。
先ほどカバンの奥にしまいこんだ携帯を取り出して、「ちょっと電話してきます」とだけ告げて足早に部屋を出る。
明らかに私の言動は変だったけれど、先輩達は気を遣ってそれ以上追及することはせずに、「いってらっしゃい」と見送ってくれた。
『ちょっと!聞いてよ!!寛治ったらね~』
「…お母さんこそ人の話聞いて。もう、切るから」
『嫌よ!今日誰も付き合ってくれないんだもん!!話くらい聞いてくれてもいいでしょ~』
母のキンキンした声が、受話器から大音量で漏れ出ている。
武田先生の耳にも入ってしまっているに違いない。
恥ずかしい。本当に恥ずかしい。
このままここで会話を続けることだけは避けたい。
「……携帯で話聞くから。これ学校の電話だから、緊急時以外はかけてきちゃダメなんだよ」
『緊急よぉ~!!お母さんの話はいつだって緊急よぉ』
怒りを通り越して呆れの境地にいたる。
だいぶ酔っぱらっているのだろう、この母に何を言っても無駄なようだ。
「とにかく一旦切るから。携帯からそっちかけるから待ってて」
『分かったわよ……早くかけてよね』
しぶしぶといった感じではあったが、なんとか母の了解を得て、電話を切る。
「…うちの母がご迷惑おかけしました。取り次いでもらったのに大した用件でなくてすみません…」
武田先生に深々と頭を下げて、ロビーを後にする。
先生は「何事もなくて良かったですね」と優しく言ってくれたけれど、恥ずかしくて仕方なかった。
昔から何度他の大人たちに頭を下げてきただろう。
おかげで大人から見れば『しっかりした良い子』の印象の強い人間にはなったけれど、こんないらない苦労をしてそうなったとは他人に知られたくないものだ。
「黒崎、大丈夫だったか?家から連絡あったんだろ?」
部屋に戻る途中、澤村先輩に呼び止められた。
詳細については絶対に言えない。
曖昧な笑顔で、「大したことありませんでした」とだけ答えて部屋へと急いだ。
「……?」
私の後ろ姿を、澤村先輩が訝しんで見ているのには気が付かなかった。
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部屋に戻るなり、潔子先輩達に心配されるも、どれも曖昧に笑って返事をする。
先ほどカバンの奥にしまいこんだ携帯を取り出して、「ちょっと電話してきます」とだけ告げて足早に部屋を出る。
明らかに私の言動は変だったけれど、先輩達は気を遣ってそれ以上追及することはせずに、「いってらっしゃい」と見送ってくれた。