第7章 GW合宿その2
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奢ってもらうのがちょっと心苦しいのもあったけれど、旭先輩と同じ飲み物、そしてめったに出ないアタリのそれは、とても特別な物に思えたのだ。
大事な物を扱う時のように、そっとペットボトルのキャップを開ける。
が、手にじっとりと汗をかいてしまっているからか、なかなか上手く開けられない。
何度か挑戦して、手こずる私を見て、旭先輩はクスッと笑って声をかけてきた。
「貸して。あけてあげるよ」
「お願いします」
か弱い女子を演じたかったわけではないので、少し気恥ずかしくなる。たとえ計算で演技したとしても、旭先輩は気付かなかったかもしれないけれど。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
事もなげにキャップを開けて、旭先輩からペットボトルを手渡される。
ペットボトルにほのかに残る旭先輩のぬくもりを感じながら、飲み物に口をつける。
ごくりと飲みこむと、炭酸の刺激が喉を走り抜けていった。
レモンの酸味がじわりと口中に広がる。
「けっこう酸っぱいだろ」
少しいたずらっぽい笑みで旭先輩がそう言った。
こんな顔もするんだなぁと少しドキリとする。
「ん、ですね。初めて飲みました」
「俺好きなんだよね、コレ」
また1つ、旭先輩のことを知る。
劇的な何かが起こる訳でもないけれど、やっぱりこういう少しの時間も大切なのだと改めて思う。
こうした一つずつを積み重ねて、相手の事を知って、想いを強くする。
同じように、旭先輩の中の私の存在も、少しずつ大きくなっていけばいいんだけれどな。
なんとなくお互い自販機の前で飲み物に口をつけることを繰り返す。この場を離れるのが名残惜しい私は、頬がゆるむのを内頬をかんでなんとか制する。
「っくしゅ!」
「!悪い、寒かったか?」
髪の毛を乾かし切れていなかったのか、少し肌寒さを覚えた。それがくしゃみとなって表れてしまった。
旭先輩が申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。
「大丈夫です、平気です」
「本当か?ちょっと震えてるんじゃないか?…そろそろ中に戻ろうか」
名残惜しいけれど、ここで意地を張って風邪でもひいたら目もあてられない。
私はこくりと頷いて、素直に旭先輩に従うことにした。
「悪かったなぁ、そういやお前薄着だもんな。気遣えなくてごめんな。あ、そうだ。これ、中に入るまで着ときなよ」
大事な物を扱う時のように、そっとペットボトルのキャップを開ける。
が、手にじっとりと汗をかいてしまっているからか、なかなか上手く開けられない。
何度か挑戦して、手こずる私を見て、旭先輩はクスッと笑って声をかけてきた。
「貸して。あけてあげるよ」
「お願いします」
か弱い女子を演じたかったわけではないので、少し気恥ずかしくなる。たとえ計算で演技したとしても、旭先輩は気付かなかったかもしれないけれど。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
事もなげにキャップを開けて、旭先輩からペットボトルを手渡される。
ペットボトルにほのかに残る旭先輩のぬくもりを感じながら、飲み物に口をつける。
ごくりと飲みこむと、炭酸の刺激が喉を走り抜けていった。
レモンの酸味がじわりと口中に広がる。
「けっこう酸っぱいだろ」
少しいたずらっぽい笑みで旭先輩がそう言った。
こんな顔もするんだなぁと少しドキリとする。
「ん、ですね。初めて飲みました」
「俺好きなんだよね、コレ」
また1つ、旭先輩のことを知る。
劇的な何かが起こる訳でもないけれど、やっぱりこういう少しの時間も大切なのだと改めて思う。
こうした一つずつを積み重ねて、相手の事を知って、想いを強くする。
同じように、旭先輩の中の私の存在も、少しずつ大きくなっていけばいいんだけれどな。
なんとなくお互い自販機の前で飲み物に口をつけることを繰り返す。この場を離れるのが名残惜しい私は、頬がゆるむのを内頬をかんでなんとか制する。
「っくしゅ!」
「!悪い、寒かったか?」
髪の毛を乾かし切れていなかったのか、少し肌寒さを覚えた。それがくしゃみとなって表れてしまった。
旭先輩が申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。
「大丈夫です、平気です」
「本当か?ちょっと震えてるんじゃないか?…そろそろ中に戻ろうか」
名残惜しいけれど、ここで意地を張って風邪でもひいたら目もあてられない。
私はこくりと頷いて、素直に旭先輩に従うことにした。
「悪かったなぁ、そういやお前薄着だもんな。気遣えなくてごめんな。あ、そうだ。これ、中に入るまで着ときなよ」