星を見る少年
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途中で恥ずかしさに耐えきれなかったのか、はじめ君は咳払いをひとつした。
「……バカみてぇに聞こえるかもしんねぇけど。俺、本気でそう思いました」
はじめ君の声には強さがあった。
恥ずかしさももちろんそこに含まれていたけれど、真っ直ぐな彼の強い気持ちが声に表れていた。
「出来れば、またこうやって2人で星を見たい。それだけじゃない、色んな物を一緒に見て、経験したい。俺、ずっと美咲さんの隣にいたい」
──だから、付き合って下さい。
そう言って差し出された手。
ためらいも、迷いも無かった。
かさついた筋張った手を握ると、すぐに私の手ははじめ君の手の中に隠れてしまった。
ぎゅっと込められた手の熱が、じわりと心臓にむかっていく。
「どうぞ、末永くよろしくね」
ニコッと笑うと、その何倍も嬉しそうな笑顔が返ってきた。
笑い合う私達の頭上を、美しい軌跡を描きながら星が流れていった。
ーfinー
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