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黄金川の気持ちはどんどん膨らんでいっているのに、現状は彼女を好きになった時とほとんど変わっていない。
2人の関係は今だ、お客と店員のままだ。
「それこそ、お前が黒崎さんの彼氏だったら、あれこれ口出す権利があるかもしれねぇけど」
「…ッス」
「あん?」
二口が何事かと聞き返した瞬間、黄金川の大音量がその場に響いた。
「告白するッス!!俺!!」
「おいおいおい、ちょっと待てよ、何がどうなってその結論なんだよ!!」
黄金川の発言に二口は驚きを隠せないでいた。
確かに先ほどまでは「もうそろそろ先に進んでもいいのでは」とアドバイスするつもりでいた二口だったが、オーナーとのやり取りの後では慎重にならざるを得ないと考えていたところだった。
それなのに、いきなり告白をすると黄金川が言い出したものだから、二口は頭を抱えてしまっていた。
「彼氏になったら、口出しし出来るんスよね?!だったら、俺、なります!! 今すぐ黒崎さんの彼氏に!!」
「…あのなぁ、黄金…」
そんな簡単になれるんだったら苦労しねぇよ、とその場にいた黄金川以外の誰もが思った。
けれどいくら周囲の人間が諭そうとも、猪突猛進タイプの黄金川の耳には届きそうになかった。
「俺やっぱり許せないっす、あの人! オーナーかなんだか知らないっすけど」
拳を握りしめた黄金川は今にもコンビニへ突進していきそうだった。
二口に背を向けた黄金川の肩を、それまでずっと静観していた青根が掴んで制した。
「青根先輩、止めないでください!」
「……今はまだ、その時じゃない」
首を振る青根に、黄金川の勢いはみるみるうちに消えていった。
普段あまりこういったことに口を挟まない青根に言われたからだろうか。
不思議と黄金川は青根の言う事なら聞こう、という姿勢になっていた。
いつもアドバイスしてやってんのに......、と二口は青根の言う事は素直に聞く黄金川が気にくわなかったが、面倒なことになる前に事態を収束出来ればそれで良し、と自分を無理矢理納得させた。
「この青根までがこう言ってんだ。1回頭冷やせ、黄金」
「…分かったっす。」
それまでの勢いはどこへやら、聞き分けのよくなった黄金川に、二口はやはり腹が立って仕方ない。
「…なんでお前青根の言う事は素直に聞くんだよ…」
ボソリと呟いた二口に、青根が肩を優しく叩いた。