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明るくそう答える黄金川に、黒崎は「そっか」と笑って答えた。
その笑顔を見ただけで、黄金川の心臓は爆発しそうだった。
耳まで真っ赤になっている黄金川を見て、二口達は黒崎に彼の恋心がバレバレなのではないかと不安になった。
いつかはその想いを告げる時がくるにしても、先に気持ちが相手に伝わっていたら、上手くいくものも上手くいかなくなるかもしれない。
ただでさえ、お互いの事をまだよく知らないのだ。
彼女の事で分かっているのは、平日の夕方から夜にかけてこのコンビニでバイトをしていることと、黒崎という苗字だけ。
年齢さえも、ハッキリとは分かっていない。
ただその見た目と、黄金川に対する態度からみて、黄金川とそう変わらない年齢だろう、というのが伊達工バレー部員達の総意だった。
「2メートルになったら教えてね。そしたらレジ前にポップ出してぐんぐんバー販売促進するからさ」
「了解ッス!!」
冗談のつもりで言ったことを、黄金川が真面目に受け取ったものだから、黒崎はクスクスと笑っていた。
2人の和やかな雰囲気に、二口はもう一歩先に進んでも大丈夫そうな気がしていた。
コンビニを出たら黄金川にそうアドバイスしてやろう、と二口が思った時だった。
「美咲ちゃん、勤務中の私語は感心しないなぁ」
バックヤードから、ぬっと出てきたコンビニのオーナーらしき人物が、談笑していた2人の会話に割って入ってきた。
年は30代半ばくらいだろうか。
見た目は清潔そうな男性だったが、その口調はいやにねっとりとしていて、少し気味悪く感じるものだった。
「あ…すみません」
「君達がお話してる間にも賃金は発生してるからねぇ。まぁ分かってると思うけどねぇ、美咲ちゃんなら」
そう言いながら、オーナーはさりげなく黒崎の肩に手を置いた。
それを見た黄金川の眉は、自然と険しい形になっていった。
黒崎のことを『美咲ちゃん』と下の名前で呼ぶのも気にくわなかったし、にやけた口元も気持ちが悪い。
彼女のフルネームが分かったのは収穫ではあったが、なんともいえない不快感が黄金川を襲った。