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ちらりと見えた人影は、黒崎の部屋の前で何やらこそこそと作業している。
作業に夢中になっているのか、黄金川の気配には全く気づいていない様子の黒ずくめの怪しい人物に、黄金川はじりじりとにじり寄った。
ふと、足下に近づいてきた赤い液体が目に入り、黄金川の背筋に冷たいものが走る。
錆びた鉄みたいな匂いが鼻をつき、その液体が血だということを理解した途端、黄金川の中の怒りが爆発した。
「あんた、何やってんだ!!」
突然響いた大音声に、黒ずくめの人物が驚いた顔で振り返った。
帽子の下からのぞいた目は大きく見開かれ、わなわなと震えている。
「昨日のもあんたの仕業だな?!」
黄金川が怒鳴ると、黒ずくめの人物は憎々しげな目で黄金川を睨みつけた。
見下ろした人物は近くで見ればより小柄に見え、いくら睨みつけられようとも黄金川は全く怖くなかった。
「っ、なんであいつばっかり…」
マスクの下からくぐもった声でそういうと、黄金川を上目遣いで睨みつけながらその人物はゆっくりと立ち上がった。
まるで禍々しいものでも背負い込んでいるように、嫌なオーラを放つ黒ずくめの人間に、黄金川もさすがに身構える。
「貫至くん! 危ない!!」
背後から黒崎の声がして、黄金川は思わずそちらに振り返った。
瞬間、黒ずくめが取り出したナイフで黄金川に襲いかかってきた。
黒崎が絹を裂くような悲鳴をあげ、同時にナイフの切っ先が黄金川の脇腹をかすめていった。
黄金川を仕留め損ねた黒ずくめは、早々にターゲットを黒崎の方へと変え、黄金川の脇をすり抜けようと身をかがめて突進していく。
「っ、このやろう!!」
黒崎に危害は加えさせまいと、黄金川は渾身の力で黒ずくめを取り押さえる。
激しく抵抗され、ナイフの先が何度も黄金川の目の前でちらついた。
「あっぶね!」
なんとか黒ずくめの腕をつかんで、ナイフを手放させた。
床に転がったナイフを足で遠くにやって、黄金川はひとまずほっと安堵の溜息をつく。
「…なんで、あんたがこんなことを…」
もみ合うちに黒ずくめの人物が目深にかぶっていた帽子は脱げ、マスクも半分ずれてしまっていた。
帽子の下から現れたのは、黒崎が以前バイトしていたコンビニの女性店員だった。