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ただでさえ好きな人にお願いされて悪い気はしないのに、黒崎があまにりも可愛らしい表情で黄金川の顔を見るものだから、黄金川には頷くより他に選択肢がなかった。
だけど、片想いの相手を目の前にして、自分の片想いの話をするというのは……。
話の流れでいっそ告白してしまおうか、と黄金川は思った。
けれど、先ほどまでのやり取りを思い出し、今はまだ思いを伝える段階ではないと心の中でかぶりを振る。
「片想いの相手って、どんな人? 同じ学校の子?」
「あ…いえ……学校は違くて…」
「そうなんだ。他校って事は、相手も高校生?」
「まぁ…一応……」
黄金川の想い人がまさか自分だとは夢にも思っていないのだろう。
黒崎は遠慮無しに黄金川の恋バナを聞き出そうと質問を繰り出してくる。
相手を目の前にしてどぎまぎしつつも、黄金川はそれこそ律儀に、黒崎の質問に答えた。
「へぇ…その他校の子好きになったきっかけって? 部活か何かで知り合って、とか?」
「えっ、まぁ部活関係というか…」
「じゃあ他校のマネージャーとか、かな?」
マネージャーじゃなくて今目の前にいるあなたのことです。
なんて言えるほどの勇気も無く、かといって嘘をつくことも出来ず、黄金川は目を泳がせて黙りこくってしまった。
黙ってしまった黄金川の様子をしばらく静かに見ていた黒崎は、「困らせてごめん」と謝った。
「ガツガツ聞き過ぎたね。ごめん。…料理もきたし、食べよ食べよ!」
からりと明るい笑顔でそう言う黒崎につられて、俯いていた黄金川も顔を上げこくりと頷いた。
気まずい思いの黄金川に対して、黒崎はあまり気にしていないようだった。
それからは黒崎は恋愛話は全く話題にあげず、黄金川の学校での生活や部活のことを熱心に聞いてきた。
工業高校がどんなものなのか知らない彼女にとって、黄金川のありふれた毎日は全くの未知の世界で、話を聞くだけでも楽しいみたいだった。
途中気まずくはなりながらも、後半はいい雰囲気で食事を終えて、2人は帰ることにした。
今回も黄金川の方から家に送ると申し出て、黒崎はその申し出をありがたく受け取った。