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別に黄金川をいじめるつもりはない。だけど、彼の相談に乗ってやるというのは二口にとって面倒にしかならない。
バレーや学業のことならまだしも、後輩の、それも黄金川の恋愛相談なぞ、のってやる義理は二口には無い。
二口と黄金川のやり取りを傍で見ていた三年の鎌先が、泣きそうな黄金川を見て囃し始めた。
「おいおい二口ぃ、後輩いじめんなよ」
「いじめてねぇっすよ。人聞きの悪い」
「いいじゃねぇか、相談乗ってやれよ」
「嫌ですよ、面倒くさい。そんなに言うなら鎌先先輩が相談に乗ってやってくださいよ」
二口の言葉に、半袖のシャツをこれでもかと腕まくりしながら鎌先は「しょうがねぇなぁ」と黄金川の相談に乗る気満々だ。
「鎌先先輩、ありがとうございます!」
「いいってことよ。困ってる後輩を放っておけるなんて、先輩じゃねぇよ。なぁ二口」
「なんすか、嫌味言う暇あったら黄金の悩みソッコー解決してやってくださいよ、鎌先セ・ン・パ・イ」
「その言い方、腹立つ」
「お互い様でしょ」
自分の相談に乗るよりも二口との口喧嘩に発展しそうな雰囲気に、黄金川は困った顔で鎌先と二口の二人を見やっている。そんな黄金川の様子に気が付いた鎌先が、悪い、と小さく謝って、黄金川の方に向き直った。
「えーと…黄金はつまり、その店員さんと付き合いたいんだよな?」
「はい!!!」
元気いっぱいに答える黄金川に若干引きつつも、鎌先は後輩の思いを叶えようと無い頭を必死に捻ることにした。
「じゃあ答えは簡単じゃねぇか!! 『付き合ってください』って告白すればいいんじゃねぇ?」
ど直球すぎる鎌先の提案に、さすがの黄金川も少し不安そうな面持ちになる。鎌先は自分の提案がナイスだと思っているのかドヤ顔で黄金川の反応を待っているようだった。
黄金川がなんと返事をしようか迷っている間に、横で話を聞いていた二口が呆れた顔で鎌先を見て、口を挟んできた。
「はぁ? そんなのが許されるのは『イケメン』だけっすよ。お客からいきなり告白されたら引くでしょ、フツー」
「なんだと二口。黄金がブサイクだって言いたいのか?!」
「そんなこと一言も言ってないじゃないすか! 芸能人並みのイケメンでもなければ、そんなの『ごめんなさい』されて終わりっすよ。鎌先先輩だって、見ず知らずの女子に告白されたら、引くでしょ」