デートの後で…/鎌先靖志
名前変換はココで!!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ああ、胸が苦しい。
よりにもよって鎌先くんに恥ずかしいところ見られたくなかった。
でもこうやって会えて嬉しいとも思う。
きっと私は鎌先くんに恋してるんだろう。
だからこんなに胸が苦しいんだ。
「…おい、本当に大丈夫か黒崎」
「大丈夫、大丈夫だよ?」
「そうか? なんかぼうっとしてっからよ……どっか変なとこ打ったかと思って。顔面で受けたもんな、今」
「お恥ずかしいかぎりです」
わざと明るく笑って、恥ずかしいのを誤魔化そうとした。勢いのあるボールじゃなかったし、普通の人だったらすんなりキャッチ出来ていたはず。
「…黒崎って、運動苦手なのな」
「あはは、実はそうなの」
「そっか。でも偉いな、ここんとこ毎日練習してんだろ。休み時間とか放課後とか」
「えっ、なんで知ってるの?」
「あっ……いや、その……た、たまたま見かけてよ!そうそう、たまたまな! ほら俺は体動かすの好きだから、昼休みよく外出てるし?!」
どこか慌てた様子で鎌先くんがそう言った。鎌先くんに醜態を見られていたことを知って、顔から火が出そうなほど恥ずかしくなった。まさか今までの練習を見られているなんて思いもしなかったから。
「見られてたんだ、恥ずかしいなぁ。酷いでしょ、私の運動神経。鎌先くんバレー部だし余計にそう思うんじゃない?」
そう言ってから、返しに困ることを言ってしまったと思った。私が運動音痴なのは事実だけど、面と向かって「そうだな」なんて言える人はあんまりいないだろう。鎌先くんに変な気を使わせてしまう……。
「んー……なんか、惜しいって感じするんだよな」
「えっ? 惜しい?」
「うん。だってお前、ボールの落下地点には居るんだよ。後はボールを受けるタイミングさえ合えば、ボールは拾えるんじゃねぇか?」
確かに、鎌先くんの言う通り、ボールが落ちてくる場所で構えることは出来ていた。でもタイミングを合わせられないから、さっきだって顔面でボールを受けてしまったんだけど。
鎌先くんに「惜しい」って言われたら、なんだかあとちょっとで出来そうな気がしてくる。自分でも現金な人間だなぁと思う。
「よかったら、俺練習付き合うぜ」
「いいの?」
「おう!」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな。鎌先くん、お願いします!」