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砂糖菓子みたいな

ベッドの上を転がった。つけっぱなしのラジオから聞いたことのある音楽が流れる。
制服のままで、僕は懐かしいノートを眺めていた。
小ぶりなそのノートを開くと、文字がびっしり綴られている。
交互に、筆圧の濃い不揃いな文字と、細くて几帳面に書かれた文字とが並んでいる。

ぱたんと閉じて表紙を見ると、マッキーで 京也と駿人 と書いてあった。

ずっと記憶を封印していたから、その駿人という文字を見たとき、何とも言えない気持ちになった。
雪のようにふわりとしていて、唱えるとちょっとだけ心が痛い。見えない引力でその名前が表す人物がもつ、あたたかい心の中に引っ張られていくみたいだ。

僕はゆっくり目を閉じた。
ときには甘い過去に溺れてもいいはずだ。
何から思い出そうか。僕の中で1番大事で美しい記憶について。
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