標的11 想像と理解を超えた存在
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《視点:××××× 場所:××××》
あれ、おじさん!
久しぶりだね。
最近いなかったけど、どうしたの?
「久しぶり。ここのところちょっと忙しくてね。でももう落ち着いたから、また前のように会いに来れるよ」
本当に?
良かった!
「そんなに私に会いたかったのか?」
うん。
だっておじさん、会うたびに色々なことを教えてくれるから。
おじさんと会うの、楽しみにしてるんだよ。
「そうなのか。奇遇だね。私もお嬢ちゃんと話すのはなかなか楽しみなんだよ――もっとも、このままではいけないんだがね」
え、どういうこと?
「当然のことだ。いつまでも子供のままではいられないだろう。君はいずれ成長しなくちゃいけない。成長すれば、私はここからいなくなる」
成長……。
「まあ、今はこのままで構わないよ。まだ先の話だ」
……ずっとここにいちゃ駄目なの?
「駄目だよ。ここは一時の拠りどころ、住み着いていい場所じゃない」
………。
「君の居場所はここじゃない」
……じゃあ、私がいるべき場所は何処?
「……それは、君がもう知っている」
え?
「それはそうと、私に教えてほしいことでもあるのか?」
……えっと、そうだね。
ここ最近で色々知りたいことが増えたんだけど、まず教えてほしいのは――
おじさん、恋ってしたことある?
「……それが数ある質問の中から最初に訊きたいことなのか?」
あ、知りたいのはおじさんの恋愛事情っていうより、恋についてかな。
私、恋ってしたことないからよく分からなくて。
家に日本の少女漫画があったんだけど、読んでもいまいちピンと来なかったんだ。
「なるほどね。けれどお嬢ちゃん、少女漫画で分からなかったら、私の話を聞いても多分実感できないだろう。あれは自らすることで初めて理解できるんだ」
そうなんだ……。
でも、私に恋なんてできるかな?
「正直言うと、君が恋をしている姿は想像がつかないが……。だからと言ってできないとは断言しないよ。絶対に理解できないと否定はしない」
うーん、でもなあ。
私が知ってる男の人って、父さんと兄さんと兄さんの友達しかいないんだよね。
「お兄さんの友達は?」
あの人はそういう感じじゃないよ。
「なら、将来相応しい人が現れるかもしれない。私には想像できないが」
本当に想像つかないんだね……まあいいけど。
「いずれにせよ焦って答えを求める必要はない。今は理解できなくても、これからじっくり向き合えばいいのだから」
ねえ、まだまだ訊いてもいい?
「ああ。時間の許す限り、いくらでも君の成長に力を貸そう」
(標的11 了)
あれ、おじさん!
久しぶりだね。
最近いなかったけど、どうしたの?
「久しぶり。ここのところちょっと忙しくてね。でももう落ち着いたから、また前のように会いに来れるよ」
本当に?
良かった!
「そんなに私に会いたかったのか?」
うん。
だっておじさん、会うたびに色々なことを教えてくれるから。
おじさんと会うの、楽しみにしてるんだよ。
「そうなのか。奇遇だね。私もお嬢ちゃんと話すのはなかなか楽しみなんだよ――もっとも、このままではいけないんだがね」
え、どういうこと?
「当然のことだ。いつまでも子供のままではいられないだろう。君はいずれ成長しなくちゃいけない。成長すれば、私はここからいなくなる」
成長……。
「まあ、今はこのままで構わないよ。まだ先の話だ」
……ずっとここにいちゃ駄目なの?
「駄目だよ。ここは一時の拠りどころ、住み着いていい場所じゃない」
………。
「君の居場所はここじゃない」
……じゃあ、私がいるべき場所は何処?
「……それは、君がもう知っている」
え?
「それはそうと、私に教えてほしいことでもあるのか?」
……えっと、そうだね。
ここ最近で色々知りたいことが増えたんだけど、まず教えてほしいのは――
おじさん、恋ってしたことある?
「……それが数ある質問の中から最初に訊きたいことなのか?」
あ、知りたいのはおじさんの恋愛事情っていうより、恋についてかな。
私、恋ってしたことないからよく分からなくて。
家に日本の少女漫画があったんだけど、読んでもいまいちピンと来なかったんだ。
「なるほどね。けれどお嬢ちゃん、少女漫画で分からなかったら、私の話を聞いても多分実感できないだろう。あれは自らすることで初めて理解できるんだ」
そうなんだ……。
でも、私に恋なんてできるかな?
「正直言うと、君が恋をしている姿は想像がつかないが……。だからと言ってできないとは断言しないよ。絶対に理解できないと否定はしない」
うーん、でもなあ。
私が知ってる男の人って、父さんと兄さんと兄さんの友達しかいないんだよね。
「お兄さんの友達は?」
あの人はそういう感じじゃないよ。
「なら、将来相応しい人が現れるかもしれない。私には想像できないが」
本当に想像つかないんだね……まあいいけど。
「いずれにせよ焦って答えを求める必要はない。今は理解できなくても、これからじっくり向き合えばいいのだから」
ねえ、まだまだ訊いてもいい?
「ああ。時間の許す限り、いくらでも君の成長に力を貸そう」
(標的11 了)