標的4 時と場合による既視感
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《視点:宮野アゲハ 場所:沢田家綱吉の自室》
試合を終え帰宅すると、リボーンは今回の特殊弾について説明した。
「“死ぬ気弾”ってのは、ボンゴレファミリーに伝わる特殊弾が脳天に被弾した時の俗称にすぎない。この特殊弾は被弾した体の部位によって名称も効果も変化するんだ」
そして、今回被弾した部位は太ももなので、驚異的なジャンプ力を生み出すジャンプ弾と呼ばれている。
他にも体の各部によってそれぞれ効果が違うのだが、それは追々リボーンが説明するだろうから割愛する。
綱吉はリボーンの話に目を輝かせた。
「なんでそんなスゲーもん隠してたんだよ? 死ぬ気弾しか教えてくれなかったじゃないか」
「ツナが弾をあてにすると思ったから言わなかった」
「!」
「でもツナ、今日弾をあてにしなかったからな」
「……リボーン」
綱吉はリボーンを見直したように凝視していたが、その後の『撃ってないと腕がなまる』発言で肩を落としていた。
「……なんかオレ、リボーンの微妙な表情の変化が分かるようになってきた」
「そう。良かったわね」
「いやどうなんだろう……。ていうかアゲハさ」
そう言ってこちらに視線を寄越すと、深くため息を吐いた。
「前にも言ったけど、オレのベッドで寛ぐなよ」
「今回はお風呂上がりじゃないわよ」
「だからそういう問題じゃないって!!」
「諦めろ。こういう女だ」
リボーンの失礼な一言に、綱吉は脱力したように項垂れた。
綱吉は毎回自分の部屋に行けと言うが、そもそも私の部屋にベッドはないのだ。
何も一緒に寝ようと言っているわけではないのだから、そんなに大騒ぎしなくていいだろうに。
「そうだ。ねえツナ」
「何だよ?」
「喉が渇いたわ。飲み物持って来て」
「自分で持って来い!!」
綱吉は勢いよく立ち上がって怒鳴るが、それにリボーンが面白がって便乗する。
「オレはエスプレッソでいいぞ」
「私はカフェオレで」
「だから自分達で持って来いって! オレはパシリじゃないぞ!!」
暫く渋っていたが、最終的に文句を言いながら部屋を出て行った。
折れたというより面倒臭くなったのだろう。
綱吉の足音が遠ざかるのを確認してから、私は口を開いた。
「獄寺隼人と接触できたわよ」
「オレのメールがなきゃ危なかっただろーけどな」
「……皮肉なら後で聞くけれど。それはともかく、獄寺がツナの実力を見たいそうよ」
「ツナと戦わせるってことか?」
「ええ。獄寺が転入する明日にね。問題ある?」
「いや、上出来だな」
にやり、とリボーンは不敵に笑う。
「さすがアゲハが交渉しただけあるな」
「褒め方があざといわよ。それに、私であることはあまり関係なかったようだし」
「どういうことだ?」
「私が今回の仲介役になったのは、一応獄寺と面識があるからだったわよね。けれど、肝心の彼は私を覚えていなかったみたいなのよ」
「……お前を覚えてない? 本当なのか?」
「? それってどういう――」
どういう意味、と問おうとしたが、階段を上る音が近づいて来たので仕方なく口を閉ざした。
カチャカチャとカップが擦れる音も聞こえるので、綱吉は言われた通り飲み物を持って来てくれたようだ。
律儀な人だとベッドに顔を伏せると、ドアが開く直前、リボーンが小さく呟いた。
「オレがそいつなら、お前みてーな奴一生忘れねーぞ」
試合を終え帰宅すると、リボーンは今回の特殊弾について説明した。
「“死ぬ気弾”ってのは、ボンゴレファミリーに伝わる特殊弾が脳天に被弾した時の俗称にすぎない。この特殊弾は被弾した体の部位によって名称も効果も変化するんだ」
そして、今回被弾した部位は太ももなので、驚異的なジャンプ力を生み出すジャンプ弾と呼ばれている。
他にも体の各部によってそれぞれ効果が違うのだが、それは追々リボーンが説明するだろうから割愛する。
綱吉はリボーンの話に目を輝かせた。
「なんでそんなスゲーもん隠してたんだよ? 死ぬ気弾しか教えてくれなかったじゃないか」
「ツナが弾をあてにすると思ったから言わなかった」
「!」
「でもツナ、今日弾をあてにしなかったからな」
「……リボーン」
綱吉はリボーンを見直したように凝視していたが、その後の『撃ってないと腕がなまる』発言で肩を落としていた。
「……なんかオレ、リボーンの微妙な表情の変化が分かるようになってきた」
「そう。良かったわね」
「いやどうなんだろう……。ていうかアゲハさ」
そう言ってこちらに視線を寄越すと、深くため息を吐いた。
「前にも言ったけど、オレのベッドで寛ぐなよ」
「今回はお風呂上がりじゃないわよ」
「だからそういう問題じゃないって!!」
「諦めろ。こういう女だ」
リボーンの失礼な一言に、綱吉は脱力したように項垂れた。
綱吉は毎回自分の部屋に行けと言うが、そもそも私の部屋にベッドはないのだ。
何も一緒に寝ようと言っているわけではないのだから、そんなに大騒ぎしなくていいだろうに。
「そうだ。ねえツナ」
「何だよ?」
「喉が渇いたわ。飲み物持って来て」
「自分で持って来い!!」
綱吉は勢いよく立ち上がって怒鳴るが、それにリボーンが面白がって便乗する。
「オレはエスプレッソでいいぞ」
「私はカフェオレで」
「だから自分達で持って来いって! オレはパシリじゃないぞ!!」
暫く渋っていたが、最終的に文句を言いながら部屋を出て行った。
折れたというより面倒臭くなったのだろう。
綱吉の足音が遠ざかるのを確認してから、私は口を開いた。
「獄寺隼人と接触できたわよ」
「オレのメールがなきゃ危なかっただろーけどな」
「……皮肉なら後で聞くけれど。それはともかく、獄寺がツナの実力を見たいそうよ」
「ツナと戦わせるってことか?」
「ええ。獄寺が転入する明日にね。問題ある?」
「いや、上出来だな」
にやり、とリボーンは不敵に笑う。
「さすがアゲハが交渉しただけあるな」
「褒め方があざといわよ。それに、私であることはあまり関係なかったようだし」
「どういうことだ?」
「私が今回の仲介役になったのは、一応獄寺と面識があるからだったわよね。けれど、肝心の彼は私を覚えていなかったみたいなのよ」
「……お前を覚えてない? 本当なのか?」
「? それってどういう――」
どういう意味、と問おうとしたが、階段を上る音が近づいて来たので仕方なく口を閉ざした。
カチャカチャとカップが擦れる音も聞こえるので、綱吉は言われた通り飲み物を持って来てくれたようだ。
律儀な人だとベッドに顔を伏せると、ドアが開く直前、リボーンが小さく呟いた。
「オレがそいつなら、お前みてーな奴一生忘れねーぞ」