標的3 夢のなかの夢の話
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「そういえば、私の年齢を知っているということは、黒猫に会ったのね」
黒猫の名前を出すと、綱吉の表情が露骨に固まった。
どうやら彼女への印象はあまり良くないようだ。
これは想定内の反応で、むしろ初対面で彼女に好印象を持つ人間がいたらお目にかかりたいくらいである。
黒猫。
情報屋兼武器職人。
この肩書きを聞いた時、一見何の接点もない二つの職業をどう兼任するのだろうかと思ったが、どちらの仕事も裏の世界では評判がいい。
ただし、どちらの仕事も依頼するには法外な金額が必要である。
「ああ、そういえば、今朝黒猫ちゃんがアゲハの荷物を持って来てくれたよ」
この人、『黒猫ちゃん』なんて呼び方をしているのか。
“黒猫”とは彼女の本名ではなく通り名なので、それにちゃん付けは違和感がある。
私が『綱吉君』と呼ぶほどの違和感だ。
それはともかく。
「で、どうだった?」
「どうだったって……」
「黒猫のことよ。貴方から見てどういう娘 だと思った?」
そう言うと、また渋い顔をされた。
荷物を届けさせるのを口実に顔合わせのきっかけを作ったのだから、感想くらいは知っておきたいのだ。
綱吉は言葉を選ぶように、悩みながら答えた。
「なんかやばそうっていうか、もう会いたくないって感じ……かな」
無理に聞き出したものの、特筆すべき感想ではない。
安心したような、拍子抜けしたような気分だ。
とにかく、黒猫との縁は繋いだので、今後彼女と取引するかは綱吉次第である。
「あ、でも、なんかちょっとアゲハに似てたかも」
何気なく呟いたので、思わず聞き逃しそうになった。
似ている?
私と黒猫が?
自分と彼女を脳内で比較しても、精々性別くらいしか接点が思いつかないのだが。
「……あのゴスロリ少女と私が似ているなんて、ツナの目って節穴なんじゃない?」
「いや、見た目とかそういうことじゃなくて、雰囲気がなんとなくっていうか……。あ、年齢が読めないところもそっくりだよな」
とんでもない暴言が飛び火してきた。
しかも、『なんかやばそう』で『もう会いたくない感じ』が私に似ているって、どういうことだ。
笹川京子に嫌われても傷つかなかった心が、ひどく痛み出した――気がする。
ただの錯覚だろうが。
黒猫の名前を出すと、綱吉の表情が露骨に固まった。
どうやら彼女への印象はあまり良くないようだ。
これは想定内の反応で、むしろ初対面で彼女に好印象を持つ人間がいたらお目にかかりたいくらいである。
黒猫。
情報屋兼武器職人。
この肩書きを聞いた時、一見何の接点もない二つの職業をどう兼任するのだろうかと思ったが、どちらの仕事も裏の世界では評判がいい。
ただし、どちらの仕事も依頼するには法外な金額が必要である。
「ああ、そういえば、今朝黒猫ちゃんがアゲハの荷物を持って来てくれたよ」
この人、『黒猫ちゃん』なんて呼び方をしているのか。
“黒猫”とは彼女の本名ではなく通り名なので、それにちゃん付けは違和感がある。
私が『綱吉君』と呼ぶほどの違和感だ。
それはともかく。
「で、どうだった?」
「どうだったって……」
「黒猫のことよ。貴方から見てどういう
そう言うと、また渋い顔をされた。
荷物を届けさせるのを口実に顔合わせのきっかけを作ったのだから、感想くらいは知っておきたいのだ。
綱吉は言葉を選ぶように、悩みながら答えた。
「なんかやばそうっていうか、もう会いたくないって感じ……かな」
無理に聞き出したものの、特筆すべき感想ではない。
安心したような、拍子抜けしたような気分だ。
とにかく、黒猫との縁は繋いだので、今後彼女と取引するかは綱吉次第である。
「あ、でも、なんかちょっとアゲハに似てたかも」
何気なく呟いたので、思わず聞き逃しそうになった。
似ている?
私と黒猫が?
自分と彼女を脳内で比較しても、精々性別くらいしか接点が思いつかないのだが。
「……あのゴスロリ少女と私が似ているなんて、ツナの目って節穴なんじゃない?」
「いや、見た目とかそういうことじゃなくて、雰囲気がなんとなくっていうか……。あ、年齢が読めないところもそっくりだよな」
とんでもない暴言が飛び火してきた。
しかも、『なんかやばそう』で『もう会いたくない感じ』が私に似ているって、どういうことだ。
笹川京子に嫌われても傷つかなかった心が、ひどく痛み出した――気がする。
ただの錯覚だろうが。