標的19 神様の偶像
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爆発音と爆煙とともに、十年後のランボが現れた。
いきなり五歳児から同年代の男子に変化したことでハルは体重を支えきれず片膝をつき、ランボはハルの膝頭に腰を強打した。
「やれやれ、なぜいつも十年前にくると痛いのだろう……」
「はひー誰ですかー!!?」
そういえば、十年後ランボとハルは初対面だ。
ハルには十年バズーカの説明すらしていないのでさぞかし混乱しているだろう。
すると、ランボはそれを察したのかハルに丁寧に挨拶した。
「お久しぶりです。親愛なる若きハルさん」
しかし、ハルは顔を赤らめたかと思うと、ランボの頬を平手打ちしたのだ。
困惑するランボに、ハルは言い捨てた。
「胸のボタンしめないとワイセツ罪で通報しますよ!! なんか全体的にエロい!!!」
今まで気にしたことがなかったが、シャツのボタンを開けて胸元をはだけるランボのファッションは、ハルにとっては刺激が強いらしい。
「ハル、分かるぞ! お前の言うことはもっともだ。それに何だ、この変てこな首輪は」
獄寺は便乗し、ランボのネックレスを掴んだ。
「おめーは鼻輪が似合ってるんだよアホ牛!!」
もはやいじめだ。
先ほどの雪辱を十年後で晴らすな。
ショックを受けたランボがふらつきながら立ち去ろうとするのを、山本が引き留めた。
「おいおまえ、角落としてるぞ」
見れば、山本の手にはランボの角が握られている。
振り向いたランボは、両手の平を山本に向けた。
「あ……投げてください」
私達のところまで歩いて戻るよりも、角を投げてもらった方が効率的だとランボは考えたのだろう。
十年前の自分が山本によってどんな目に遭ったのか、覚えていないのだろうか。
言われるままに山本は角を投げた――洗練された野球フォームで投擲された角は、加減なしの速度で真っ直ぐ飛んでいき、ランボの額に突き刺さった。
勢いよく仰向けに倒れたランボは、やがて起き上がると膝を抱えて泣き出した。
「結局こうなるのか……」
綱吉が呆れ口調で呟いた。
十年後ランボは数回しか登場していないが、いつも悲惨な展開になっている気がする。
「やっぱツナが面倒みるしかねーな」
「お前最初からそのつもりだっただろー!!」
こうして、ランボの保育係は綱吉に決定した。
まあ、なるべくしてなったという感想である。
綱吉は不服そうだがやはり放っておけないらしく、慰めようとランボに近づいた時、不意にランボが声を上げた。
「えっアゲハさん!?」
私が呼ばれたのかと思ったが、ランボの視線は地面に固定されている。
よく見ると、そこには私の写真があった。
「あっ! しまった、おい子供!! その写真を返せ!!」
絢芽が叫びながら突進していく。
ランボはその勢いに戸惑っているが、意外にも写真を返すのを渋る素振りをした。
「えっでも……オレの時代じゃ絶対手に入らないし……」
「こちらの時代でも貴重品だ! いいから寄越せ!!」
「また言い争ってるー!!?」
カオスになった状況を他人事のように眺めつつ、十年後の世界で、私の写真が万能薬扱いされていたらどうしよう――と冗談交じりに思索した。
(標的19 了)
いきなり五歳児から同年代の男子に変化したことでハルは体重を支えきれず片膝をつき、ランボはハルの膝頭に腰を強打した。
「やれやれ、なぜいつも十年前にくると痛いのだろう……」
「はひー誰ですかー!!?」
そういえば、十年後ランボとハルは初対面だ。
ハルには十年バズーカの説明すらしていないのでさぞかし混乱しているだろう。
すると、ランボはそれを察したのかハルに丁寧に挨拶した。
「お久しぶりです。親愛なる若きハルさん」
しかし、ハルは顔を赤らめたかと思うと、ランボの頬を平手打ちしたのだ。
困惑するランボに、ハルは言い捨てた。
「胸のボタンしめないとワイセツ罪で通報しますよ!! なんか全体的にエロい!!!」
今まで気にしたことがなかったが、シャツのボタンを開けて胸元をはだけるランボのファッションは、ハルにとっては刺激が強いらしい。
「ハル、分かるぞ! お前の言うことはもっともだ。それに何だ、この変てこな首輪は」
獄寺は便乗し、ランボのネックレスを掴んだ。
「おめーは鼻輪が似合ってるんだよアホ牛!!」
もはやいじめだ。
先ほどの雪辱を十年後で晴らすな。
ショックを受けたランボがふらつきながら立ち去ろうとするのを、山本が引き留めた。
「おいおまえ、角落としてるぞ」
見れば、山本の手にはランボの角が握られている。
振り向いたランボは、両手の平を山本に向けた。
「あ……投げてください」
私達のところまで歩いて戻るよりも、角を投げてもらった方が効率的だとランボは考えたのだろう。
十年前の自分が山本によってどんな目に遭ったのか、覚えていないのだろうか。
言われるままに山本は角を投げた――洗練された野球フォームで投擲された角は、加減なしの速度で真っ直ぐ飛んでいき、ランボの額に突き刺さった。
勢いよく仰向けに倒れたランボは、やがて起き上がると膝を抱えて泣き出した。
「結局こうなるのか……」
綱吉が呆れ口調で呟いた。
十年後ランボは数回しか登場していないが、いつも悲惨な展開になっている気がする。
「やっぱツナが面倒みるしかねーな」
「お前最初からそのつもりだっただろー!!」
こうして、ランボの保育係は綱吉に決定した。
まあ、なるべくしてなったという感想である。
綱吉は不服そうだがやはり放っておけないらしく、慰めようとランボに近づいた時、不意にランボが声を上げた。
「えっアゲハさん!?」
私が呼ばれたのかと思ったが、ランボの視線は地面に固定されている。
よく見ると、そこには私の写真があった。
「あっ! しまった、おい子供!! その写真を返せ!!」
絢芽が叫びながら突進していく。
ランボはその勢いに戸惑っているが、意外にも写真を返すのを渋る素振りをした。
「えっでも……オレの時代じゃ絶対手に入らないし……」
「こちらの時代でも貴重品だ! いいから寄越せ!!」
「また言い争ってるー!!?」
カオスになった状況を他人事のように眺めつつ、十年後の世界で、私の写真が万能薬扱いされていたらどうしよう――と冗談交じりに思索した。
(標的19 了)
