標的15 死線をみた日
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「は、死ぬって……えっ? オレが!?」
「何だ、貴様、気づいていないのか? 自分の身体のことだろう。そんな愚昧さでボスを目指すというから呆れるな」
俺への罵倒をしっかり済ませてから、絢芽は俺の右手を指差した。
「え? 何?」
「見てみろ」
言われるままに自分の右手に視線を落とすと、手の平に見覚えのないおぞましいドクロの模様が描かれていた。
「何だこれー!!?」
「それはドクロ病っていう不治の病だ。ツナ、死ぬぞ」
絢芽とは別方向から不吉な声がした。
見ると、いつの間にか学校のフェンスの上にリボーンが座っていたのだが、纏っている空気が重苦しく、その表情は暗く沈んでいる。
「なに不吉ぶっこいてんだよ!! お前は死神か!! 登場最悪だぞ!!」
すると、リボーンは冷静な口調に切り替えて尋ねてきた。
「今までに何発の死ぬ気弾を脳天に食らったか覚えてるか?」
「は? な……何発って……知らないよそんなの!!」
「ちょうど十発だぞ」
俺に見せつけるように、両手を広げるリボーン。
俺そんなに撃たれていたのか――そんなに死んでいたのか。
「死ぬ気弾で十回殺されると、被弾者にとんでもないことが起こると言われているんだ。まさか不治の病とはな……残念だ」
「終えるなー!!!」
初耳すぎる。
いつも問答無用で撃たれているあの死ぬ気弾に、そんな重大なリスクがあったのか?
そんなものを容赦なく撃ってたの、コイツ?
「つーか、なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ! 分かってたら……」
分かってたら、何だろう。
リボーンとアゲハという暴君達を相手に、一体何ができただろうか。
毎回全力で抵抗したのに、十発も撃たれたんじゃないか。
そんな心中を知ってか知らずか、俺を撃った張本人は「思ったより冷静だな」と他人事のように感想を述べた。
冷静というより、実感が湧かないのだ。
ある日突然不治の病と言われても現実味がないし、そもそも身体にドクロが現れる病気なんて聞いたことがない。
「当たり前だ。不治の病なんて信じるかよ。こんなの洗えば取れるよ」
「私にとってはこの上ない幸福だ。これで主様は貴様から解放される」
踵を返して帰宅しようとする俺の背中に、絢芽が俺に聞こえる音量でそう言った。
さっきから呼吸するように罵られているので麻痺しかけているが、結構酷い台詞だ。
死ねばいいと言われているのと同義だから。
しかも、似たようなことを前にビアンキにも言われていたのだった。
どうしてリボーンにしろアゲハにしろ、勝手にやってきたのに俺が束縛しているように捉えられるのだろう。
家庭教師も護衛も、俺は一度だって望んだことがないのに。
「アゲハは今まで護衛の仕事なんてやったことなかったけどな」
リボーンのその言葉に振り向くと、リボーンと絢芽が互いを睨みつけていた。
不審そうに眉根を寄せる絢芽に、リボーンは自信に満ちた笑みを向けている。
それは、よく見る顔だった。
「あいつはやっぱり優秀だぞ」
「何だ、貴様、気づいていないのか? 自分の身体のことだろう。そんな愚昧さでボスを目指すというから呆れるな」
俺への罵倒をしっかり済ませてから、絢芽は俺の右手を指差した。
「え? 何?」
「見てみろ」
言われるままに自分の右手に視線を落とすと、手の平に見覚えのないおぞましいドクロの模様が描かれていた。
「何だこれー!!?」
「それはドクロ病っていう不治の病だ。ツナ、死ぬぞ」
絢芽とは別方向から不吉な声がした。
見ると、いつの間にか学校のフェンスの上にリボーンが座っていたのだが、纏っている空気が重苦しく、その表情は暗く沈んでいる。
「なに不吉ぶっこいてんだよ!! お前は死神か!! 登場最悪だぞ!!」
すると、リボーンは冷静な口調に切り替えて尋ねてきた。
「今までに何発の死ぬ気弾を脳天に食らったか覚えてるか?」
「は? な……何発って……知らないよそんなの!!」
「ちょうど十発だぞ」
俺に見せつけるように、両手を広げるリボーン。
俺そんなに撃たれていたのか――そんなに死んでいたのか。
「死ぬ気弾で十回殺されると、被弾者にとんでもないことが起こると言われているんだ。まさか不治の病とはな……残念だ」
「終えるなー!!!」
初耳すぎる。
いつも問答無用で撃たれているあの死ぬ気弾に、そんな重大なリスクがあったのか?
そんなものを容赦なく撃ってたの、コイツ?
「つーか、なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ! 分かってたら……」
分かってたら、何だろう。
リボーンとアゲハという暴君達を相手に、一体何ができただろうか。
毎回全力で抵抗したのに、十発も撃たれたんじゃないか。
そんな心中を知ってか知らずか、俺を撃った張本人は「思ったより冷静だな」と他人事のように感想を述べた。
冷静というより、実感が湧かないのだ。
ある日突然不治の病と言われても現実味がないし、そもそも身体にドクロが現れる病気なんて聞いたことがない。
「当たり前だ。不治の病なんて信じるかよ。こんなの洗えば取れるよ」
「私にとってはこの上ない幸福だ。これで主様は貴様から解放される」
踵を返して帰宅しようとする俺の背中に、絢芽が俺に聞こえる音量でそう言った。
さっきから呼吸するように罵られているので麻痺しかけているが、結構酷い台詞だ。
死ねばいいと言われているのと同義だから。
しかも、似たようなことを前にビアンキにも言われていたのだった。
どうしてリボーンにしろアゲハにしろ、勝手にやってきたのに俺が束縛しているように捉えられるのだろう。
家庭教師も護衛も、俺は一度だって望んだことがないのに。
「アゲハは今まで護衛の仕事なんてやったことなかったけどな」
リボーンのその言葉に振り向くと、リボーンと絢芽が互いを睨みつけていた。
不審そうに眉根を寄せる絢芽に、リボーンは自信に満ちた笑みを向けている。
それは、よく見る顔だった。
「あいつはやっぱり優秀だぞ」