7月8日
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私は同じクラスの沖田総悟と幼馴染みだ。
家も近所で、家族ぐるみの付き合いをしている。
下らない会話をして笑い合い、私の隣にはいつも総悟がいる──それが当たり前だと思ってた。
そんな私達の関係は、それ以上でもそれ以下でもない、ただの幼馴染み……
私はずっとそう思っていた……そう、ついこの間までは──
***
いつからだろうか……私は総悟に対して幼馴染みとは違う感情が芽生えていた。
それはきっと、あの出来事があったからだ。
ある初夏の夕暮れ──
放課後の教室。
そこにいるのは総悟と私の2人。銀八から課題を言い渡され、居残りをさせられていた。
「暑ィ……夕方だってのに全然涼しくならねーや……」
「そうだね……早く課題終わらせて帰ろう!」
しばらくして、私は不意に気付く。さっきから、総悟がジッとこちらに視線を向けていることに──
「──何? 私の顔に何かついてる?」
「いや……」
総悟が一瞬言葉を濁し、視線を下へと落とす。それから再び真っ直ぐ私を見据える。
「ナマエ、お前……まつ毛長ぇな」
「──え?」
そう言いつつ、総悟が私の頬へと手を差し伸べる。
「な、何!? 急にどうしたの!?」
突然の出来事だ。驚いた私ははおもわず顔を背ける。そんな私に総悟が言い放つ。
「こっち見ろィ! ……俺をちゃんと見ろよ」
真剣な眼差しに、私はゆっくりと総悟の方へと向き直る。
「ナマエ……」
今度は優しく呼びかけられる。
徐々に総悟の気配が近くなるのを感じた私は、その流れに任せて瞳を閉じた──
軽く唇が触れたかと思うと、ちゅっ……と言うリップ音ともにすぐに離れた。
総悟と初めてするキスは、優しいけれど、やっぱり恥ずかしくて──
でも一瞬にして心が満たされるのが分かった。私は総悟の事が好きだと、この時初めて自覚させられた。