10月10日
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10月10日──
そう、今日は俺……坂田銀時の聖誕祭。
──なのによォ、朝っぱらから仕事の依頼が入ってる状態。
いつもなら嬉しい悲鳴をあげるところだが……今日ぐらいはゆっくりしたいつー感じじゃない? 新八も神楽も何か別件の仕事らしくて、朝からいないしよォ……
それに、最近気になってるナマエちゃんも、今日はバイト休みみたいでいねーし。
まぁ誕生日っても、今さら祝ってもらうような歳でもないし……まぁ、別にいいんだけどねェ。
そんな事を考えながら、俺は送り状に目を向ける。
「えっと……ここに荷物を届けりゃいいんだよなァ……ん? ここって──」
スクーターを走らせてやって来たのは、真選組の屯所。門の前で立ち止まり、思わずいくのを躊躇ってしまう。
「ハァ……何でここなんだよ……気乗りしねェが、これも仕事だしなァ」
ため息を一つこぼした後、屯所内に足を踏み入れると、早速沖田に出会した。
「あ~旦那、待ってやしたよ」
「ん? 待ってた? あ〜、そうそう沖田くんお届け物──」
そう言いつつ小包を渡そうと差し出すも、沖田はそれをそのまま押し返してきやがる。
「はい……?」
「これ、柳生家んとこのガキに渡してもらえませんかねィ?」
「九兵衛に?」
「そうですぜィ……それじゃあ旦那、宜しくお願いしまさァ」
「ええっ!? ちょっ、沖田く~ん!?」
俺の呼びかけを綺麗さっぱり無視しした沖田は、そそくさと戻って行く。
「……ったく、どーなってんだ?」
疑問は残りつつも、俺は再びスクーターにまたがり、次の目的地、柳生家へと向かった。
***
しばらく走らせ、柳生家に到着する。
さっさと終わらせてジャンプの続きでも読みたい気分だな……と思いながら、早速門を叩く。
「すんませ~ん、万事屋ですけどォ~」
しばらくすると門が開き、中から東城がやって来た。
「お~銀時殿、お待ちしておりましたよ! 若ァ~銀時殿が来られましたよ」
「お~銀時、待っておったぞ」
「待ってた……? あっ、これ何か沖田くんが渡してくれって──」
「そうか……それじゃあ代わりに、次はこれをさっちゃんのところに持っていって欲しいのだが──」
「おいおいまたかよ!? これで終わりじゃねーのかよ……」
「じゃあ、頼んだぞ」
そう言い残し、沖田と同じく九兵衛もそそくさと中へと戻って行った。
「ったく、どいつもこいつもよォ……たらい回しもいいところじゃねーかよ!? 一体どーなってんだ……? それにあのメス豚に渡せって言われてもなァ……」
俺はしばらく目をつむり精神を集中させる。……見えた! 「そこだァァ~!」と言いいながら、木刀を投げつける。すると──
「痛たたたた……」
木の上から転げ落ちてきたのは、もちろんメス豚さっちゃんだ。頭にはさっき俺が投げつけた木刀が突き刺さっている……百発百中だな。
「さすがは銀さんね……あたしがどこにいるのか一目瞭然ってわけ!? でも、刺すなら木刀じゃなくて、銀さんのちん──」
「ごちゃごちゃ、うっせーんだよ、コノヤロー! 俺ァお前に構ってる暇なんてねーんだよ! ほら、これ九兵衛から。じゃーな」
「ちょっと待ちなさいよ! やっと会えたらと思ったらもうさよならなの!? また放置プレイ!?」
「なんだよ、まだ何かあんのかよ?」
「えっ? あ~次はこれをツッキーに渡してください」
「はぁ!? またかよ!?」
「じゃあ銀さん、ヨロシクね!」
「ったく……何なんだよ、一体……」
俺は言われるがまま、再びスクーターにまたがり、一路吉原へと向かった。
吉原にたどり着くと、案の定待ち構えていたかのように、早速晴太に出会した。そして、その後ろから月読もこちらにやって来た。
「あっ、銀さん!」
「銀時、やっと来たか……」
「やっと……?
「あ、いや、何でもない……こっちの話じゃ」
「……? あ、それよりこれ、さっちゃんがお前にってさ。んじゃ俺ァこれで──」
「ちょっと待ちなんし。これをあの痔の忍者に渡してもらえんか?」
「おいおい、またかよ……つーかこれで何回目ェ!?」
「じゃあ、頼んだぞ」
そう言い残し、月読も皆と同じように、またそそくさと行ってしまう。
流石に呆れ果てたかのようにため息をつきつつ、俺はまたスクーターにまたがり出発する。
ジャンプ忍者の所に向かうも、やつさこれまでと同様に次はまた違う知人の所に行かされ……巡り巡ったあげく、次に辿り着いたのはコイツの所だった。
その頃には、すっかりあたりも薄暗くなっていた。早速、奴のアジトへと潜入する。
「……おい、ヅラ! とっとと出てこい!」
「ヅラじゃない、桂だ! おぉ~銀時、遅かったな! 待ちくたびれたぞ」
のうのうと言ってのける桂に、たらい回しにされていた俺は頭にきていた。
「はァ!? こっちは朝っぱらからありとあらゆるところに行かされて、かなり疲れてんだ、コノヤロー!!」
「そんなに怒るな」
そう言いながら、桂は1枚の紙を渡してきた。何やら予約表のようだ。
「その紙に書かれている店に行ってほしい。それで最後だ。じゃあ、俺たちは先に行っているからな」
「おい、どーゆーことだよ!?」
これまた皆と同様に、桂も俺の言葉を無視して行ってしまった。
「ったく、どいつもこいつも……」
最後と聞いて気力を振り絞り、俺は再びスクーターにまたがり、最後の場所へと向かった。